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2014年6月30日 (月)

アナと雪の女王

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わたしは知る人ぞ知る3Dアニメのファンなんだけど、それをいつもはフンッといって馬鹿にする知り合いが、めずらしく向こうから観たいと言い出したのが 「アナと雪の女王」。
で、昨日はその鑑賞に行ってきた。
わたしは3DアニメでもSFっぽいものが好きだけど、「アナ」 は乙女チックなファンタジーらしいので、あまり気がすすまなかった作品である。

今回は立体、つまり画面から飛び出す方式のほうが上映終了で、飛び出さない3Dである。
このへんがややこしいけど、最近は画面から飛び出す映画が増えてきて、知り合いはこっちのほうを3Dアニメだと思っているようだ。
飛び出さないころからのファンであるわたしは、「トイ・ストーリー」 や 「ニモ」、「モンスターズ・インク」 みたいな映画は、飛び出さなくても3Dアニメだと思っているので、なんか新しい呼び名を考えてもらわないと話が混乱していけない。

しかも音声は日本語に吹き替えずみだった。
どうせ英語版だって声はあとから入れてあるんだから、なんでもいいやってものだけど、売りモノの歌のシーンが、伴奏が邪魔して歌詞をよく聞き取れない。
おかげで最初のほうはストーリーもよくわからない。
小さな子供も観る映画なのだから、そのあたりを考えてほしかった。

タイトルバックをながめて気がついたのは、ディズニーが総力をあげた映画らしく、とうとうピクサーのピの字も出てこなかったこと。
ピクサーのスタッフはどうなっちゃったのか。

そんなことはどうでもいいことで、映画は、唐突に道化役のスノウマンや沢庵石みたいな石器人の集団が出てきたり、雪と氷でできた2本足歩行のモンスターが襲ってきたりと、ディズニー映画のワンパターンを踏襲した部分があるものの、大人でも十分に楽しめる感動作だった。
派手で、華麗で、幻想的で、3Dアニメもとうとうここまで来たかという技術的興味もある。

「アナ」 のまえにアンジェリーナ・ジョリーが、いかにもワルそうな魔女に扮した映画の予告編があって、これもファンタジーみたいだけど、生身の人間がCG (コンピューター・グラフィック) 製の怪物とからむと、どうも妙な偏見が先に立っちゃって、わたしにはホラーとしか思えなくなってしまう。
「アナ」 の登場人物は、人間とあまり変わらないプロポーションなので、一歩まちがうと生身の人間がやったって同じじゃんと思いたくなってしまうけど、これがファンタジーとホラーの分岐点だな。
いくらか頭でっかちで目ん玉が大きい、これぞアニメというキャラだけで、やはりわたしには、「アナ」 は素敵でかわいらしいファンタジーに思えてしまう。

スタジオ・ジブリの2Dアニメの予告編もあった。
なんで宮崎アニメが人気があるのか、むかしから現代に至るまでサッパリわからんのわたしには、もういいかげんにさらせよってトコ。
3Dアニメの動きのなめらかさ、質感の豊かさ、奥行きの広さに対抗するためには、2Dアニメは画風そのものから、きわだって個性的なものにしないと太刀打ちできっこないのに、あいかわらず水でうすめたような写実主義的な登場人物ばかりだ。
金と名声が残っているうち、ピクサーのスタッフをジブリで吸収して、3Dに鞍替えしたらどうなんかね。
ちっとは 「アナ」 のヒロインの、そこはかとない色気を見習えと、そこまでいうと、あ、やっぱりオタクだと思われてしまいそう。

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