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2014年6月20日 (金)

西表島/ターザンの島

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この旅の目的は人間の手の入ってない豊かな自然を見ることだけど、具体的にはやはりサンゴ礁の海を見ることである。
前回もそのつもりで、わざわざ水中撮影のできるカメラを持っていったんだけど、それは水につけたとたんに壊れた。
で、今回はリベンジのつもりで、新しく購入した水中ハウジングまで持ち込んだ。
これが予想以上の成果をもたらしたので、ここでサンゴ礁の写真をずらりと並べる。

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沖縄本島のサンゴ礁は荒廃していてガッカリさせられることが多いけど、西表にはサンゴ礁のポイントが数か所あって、テーブルサンゴ、エダサンゴ、球形サンゴ、脳みそ型サンゴなどが群生していて、お花畑に迷い込んだような見事な景観が見られる。
このへんから考えて、やはりサンゴの大敵は温暖化でもオニヒトデでもなく、増えすぎた観光客であるとわたしは断言してしまう。
観光客が増えればホテルや施設も増設しなければならないし、どうしても建設工事が増え、汚染土や化学物質も流入する。
交通の便がわるくて、まだ本島にくらべれば観光客の少ない西表のサンゴが見事なのも当然だ。

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サンゴ礁を見るためには船を出してもらわなければならない。
宿泊しているのがわたしひとりなので、船を出してもらうのは申しわけないと思ったけど、かまどま荘の主人はこころやすく貸し切りにしてくれた。

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船浮から出港して、まず崎山湾へ向かった。
右手に大きな島がふたつばかり並んでいる。
そのうちのひとつに、地元からターザンと呼ばれている奇矯な老人が住みついているそうである。
どうやって生活してるんでしょうと訊くと、畑をつくって自給自足してるんだそうだ。
たまにテレビ局が取材に来て、出演料が入ることもあるらしい。
ホームレスの一種かもしれないけど、ちゃんと地主さんと土地の借用契約もしているので、役所も警察も手が出せないという。

こういうふうに離れ島に住みついている人間は、このあたりにけっこういるそうである。
1年中裸で暮らせるところだから、放浪と孤独癖のある人間が世捨て人となって、このあたりに在所をかまえても不思議ではない。
わたしにも似たような傾向があるし、現在進行形のひきこもりだから、ついそういう話にあこがれてしまう。
新宿のホームレスの中にはむずかしい哲学書を読んでいる人がいた。
山中にこもって自然を相手に語り合っていると、人間には哲学的なナニカが生じるのではないかと、これはわたしの大胆すぎる想像だけど。
モームの 「コスモポリタン」 の中に 『隠者ハリー』 いう話があって、それは無人島にひとり暮らす人間を皮肉ったおもしろい短編だ。

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写真のほうだけど、欲をいえばタンクを背負って潜ればもっとよかった。
海面に浮かんだままでは波にゆられて、写真ならともかく、動画を撮影するのはむずかしい。
いちばん最後の写真はナマコだけど、素潜りでは対象をアップで撮るのもむずかしい。
本格的なダイビングをすれば、もっとめずらしい小動物をたくさん撮ることもできただろうに。

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