西表島/ホテル・ミヤヒラ
問題はこの晩の宿をどうするかということだ。
最終日の宿だけは予約してある。
それはミヤヒラという、新婚旅行で泊まっても、いまどきのわがままな新婦サンから苦情の来そうにない立派なホテルである。
じつは1年まえの旅でも利用したことがあり、旅で疲れた体をいやすのに好適なホテルということを知っていた。
今回は最後の泊まりが土曜日なので、混雑するかもしれないから、ここだけはあらかじめ予約しておいたのだ。
ミヤヒラへ行ってちゃんと予約ができているか確認ついでに、今夜は泊まれませんかねえと訊いてみた。
部屋はありますけど、という。
“けど” が余計だけど、つまりネットで予約したほうが安いですよとのこと。
現在は大きなホテルは、たいていネット予約が普通になっている。
なにかトラブルがあった場合、信販会社のカードといっしょで、ネット上の旅行会社が責任をとってくれるから、ホテルにとってもこのほうがありがたいのである。
フロントでわざわざそんなことを教えてくれるのだから親切なホテルだ。
わたしは iPodを持っていたけど、ネット契約はしてない。
無線LANの設備があっても、カードほどの小さな画面で、老眼ぎみのわたしがちまちまとホテルの予約なんかしてられない。
うーんと考えていたら、パソコンはあそこにありますと、パソコンのあり場所まで教えてくれた。
ホテルのパソコンで、そのホテルの予約をしようというのもおかしな話だけど、とにかく親切なホテルなのである。
やってみたらこの晩はもう申し込みが締め切られていた。
なんとかなりませんかとフロントで泣きついてみたけど、さあと相手も困ったような顔。
親切な相手を困らせるのもナンだから、とうとう飛び込み料金で泊まることにして、えらく高いものについた。
アメリカの黒人が自由を獲得するまでに流した血の量を考えても、やはり自由気ままというのは高くつく。
部屋に荷物を置いたあと、町をぶらぶらしてみた。
あちらこちらで大きな荷物をひきづり、地図を片手にさまよっている娘たちに出会う。
高級なホテルなんかありそうもない路地をうろうろしているからして、予約した安いホテルやペンションを探しているらしい。
みんないかに旅を安くあげるか苦労しているんだなあと思う。
でも、わたしみたいに気前のいい人間もいないことには、デフレの払しょくも、アベノミクスの成功もおぼつかないさと毒づく。
ホテル・ミヤヒラについてはネット上にいろいろ情報があります。
添付した画像は、近くの公営市場で見た沖縄景色。
もっと市場を紹介したいけど、今回の旅の目的はここじゃないもので。
| 固定リンク | 0
コメント