西表島/星砂の浜
西表島は、全島に道路がはりめぐらされているわけじゃないから、レンタカーでまわるにはオーバーだ。
さりとて自転車でまわるにはちときつい。
こういうときはレンタルバイクにかぎる。
料金も安いし、50ccのバイクがあれば、2、3時間で島のはしからはしまで見てまわれるのである。
ということでバイクを借りた。
レンタル・バイクは上原港近くのガソリン・スタンドがやっている。
1時間で500円だ。
最初に 「星砂の浜」 をめざした。
よく知られているけど、西表には星の砂があたり一帯をうめている浜がある。
星の砂というのは、海の中の有孔虫類というプランクトンが死んだあとの殻である。
下の写真はウィキペディアに載っていた走査型電子顕微鏡写真で、詳しいことはそれを参照のこと。
サンゴといい星の砂といい、もとは海水中に含まれる炭酸カルシウムを生物が有効活用したものだから、海水中にはいったいどれだけの炭酸カルシウムが含まれていたのかと考えると、気が遠くなりそう。
地球の生きものが自らの手で酸素をつくりだしたように、これもまた生きものが、自らの手で地球の環境を整えていったということの有力な証明なのだろう。
星の砂にも種類があるけれど、それは肉眼でかろうじて見えるていどの大きさ。
じっさいに星の形をしている。
めずらしいものなので、小さな袋に入れてみやげもの屋で売っていたり、おまけにくれる場合もある。
そのていどならまだいいけど、浜辺に行けばタダでいくらでも採れるものだから、都会人でこれをスコップで掘り出す輩があとを絶たない。
ずっとむかし、新婚旅行で沖縄に行った友人が、みやげだといってどさっと持ち込んできたことがあった。
わるいやつだと思ったけど、沖縄まで返しにもいけないから、それはいまでもわが家にあって、ときどきわたしに顕微鏡でのぞかれたりしている。
そんな調子だから、今回星砂の浜に行ったときも、もうみんな掘り尽くされたあとではないかと心配していた。
でも半分は杞憂だったようだ。
海岸の砂をカメラのマクロで観察してみると、まだいくらか星のかたちが見える。
これはもともとは生きものだから、現在でも少しづつ浜に蓄積しているのではないか。
現在のようすでは、すでに掘り出しても採算のあわない事業になってしまったようで、それがかろうじて星砂の浜の命脈を保っている原因かもしれない。
まだ生きている状態の星の砂を見たいけど、このつぎに西表に行くときは顕微鏡でもかついでいくか。
そんなことを考えているうちまた余計なことを思い出した。
冬に北海道を旅して、雪の結晶が1センチちかくあるのにおどろいたことがある。
あれをなんとか溶けないように固定する方法があれば、あれもまた地域の有名な特産物になること必至なのにと思う。
いま問題の3Dプリンタなんか使っても、ムリかねえ。
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