西表島/オオコウモリ
ぶーの家の女主人に聞いた話では、近所の御嶽 (うたき=神社) のうえに夜な夜なオオコウモリが出没するそうだ。
そいつはおもしろい、ぜひ見たいというわけで、夕飯を食ったあとぶらぶらと出かけてみた。
オオコウモリといっても西表のそれは菜食主義者だそうだから、ドラキュラなんか想像されては困る。
お、いる、いる!
なにやら、いかにもオオコウモリのようなものが、かすかな月明かりの中をひらりひらりと飛びかっていた。
ただコンパクトカメラで闇夜のコウモリを撮るのは無理、ムリ、ムリ。
もしかしたら写るんじゃないかと、やみくもにストロボを光らせてみたけど1枚も写ってなかった。
宿にもどってかまどま荘の主人に訊く。
オオコウモリは昼間はどこで寝てるんでしょう。
もし御嶽の天井や板塀のすきまにもぐりこんでいるなら、撮影できないこともないかもしれない。
でも主人の言うのには、森のなかの木の枝なんかにぶら下がっているよとのこと。
それじゃやっぱり無理だなと思う。
ジャングルの中まで撮影に行くような装備はしていない。
ナショナル・ジオグラフィックなんかには素晴らしい自然写真がたくさん掲載されているけど、そういうものは一朝一夕に撮れるものではないのである。
そういうことをわたしはよく知っているから、あきらめも早いのである。
もうひとつ、夜になると出没するものがいて、こちらは撮るのは簡単だ。
シャワー・ルームやトイレの壁面に夜な夜なヤモリがあらわれる。
ヤモリは東京のわが家にも出るけど、性格がすなおだから写真に撮るのはむずかしくない。
ここに載せた写真のヤモリは、よく見ると尻尾が再生ずみ。
かまどま荘ではネコを飼っているので、たまにおもちゃにされて、尻尾を取られちゃうのだろう。
エアコンが効きませんといってみたら、コイン方式だそうで、千円分くらいの百円玉を投入口のわきに積み上げて、このあとは部屋でごろごろ。
わたしはテレビを必要としない人間だから、波の音も聞こえず、ヤモリの鳴き声ぐらいしか聞こえない静かな夜を独り占め。
亜熱帯における涼しい部屋でなにもすることがないというのは贅沢なことだなあと思う。
そう思えるのは2、3時間かもしれないけど、どうしても退屈ならば、iPodにつめこんできた映画や音楽を楽しむテがある。
ここでは無線LANも使えるのである。
世間ではパソコンにかまけてひきこもりになる人間を糾弾する声もあるけど、ゲームや会話ばかりやらなくても、ネットがあれば退屈なんかしないと豪語するワタシみたいな人間もいるのだ。
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