西表島/野鳥たち
翌朝は、朝いちでまたイダの浜に行ってみた。
バード・ウォッチング用の双眼鏡を持って。
西表島は野鳥観察にも楽しいところで、めずらしい鳥がたくさんいる。
その筆頭はアカショウビンだ。
これはカワセミの仲間で、ハトよりいくらか小さめの、赤い鳥である。
ただのカワセミなら東京のうちの近所にもいるし、やはり同類のヤマセミは奥多摩あたりにいる。
しかしアカショウビンなんて見たことがない。
調べてみたら、かならずしも南方系の鳥ではなく、北海道でも見られるそうだ。
西表は最大の繁殖地とある。
野鳥をコンパクトカメラで撮るのはむずかしいから、わたしの写真は1枚もなし。
アカショウビンは西表ではけっしてめずらしい鳥ではないし、世間に野鳥専門のカメラマンはそれ以上にめずらしくないから、ネットで検索すればいい写真がたくさん見つかるはずだ。
イダの浜への峠道でシジュウカラを見た。
めずらしくない鳥だけど、ちらりと見たかぎりでは、全体に黒っぽく、ほっぺの白い模様がよく目立って、東京のシジュウカラとちがうようだった。
そのへんが気になって、帰京したあとで調べてみたら、南方の鳥は黒くなる傾向があるようだと書かれたブログを見つけた。
なんだろう、日焼けしてメラニン色素が増えちゃうのだろうか。
シジュウカラは好奇心がつよくて、あまり人間をおそれない鳥だけど、ちょこまかと動くので写真も撮る余裕がなかった。
森の中では期待していたほど野鳥を見なかった。
あとで西表島をバイクで半周したときは、クイナの仲間やサギの同類をあちこちで見た。
クイナは車が走るような道路ぞいでもしょっちゅう見かける。
しかしバイクを停めるのがめんどくさくなって、写真を撮れなかった(撮らなかった)。
コンパクトカメラなので最初からあきらめてるし。
沖縄ではヤンバルクイナが有名だけど、ほかにも顔のあたりが白いシロハラクイナがいて、これはけっこう数が多いようである。
サギの仲間では、ウチの近所で見かけるコサギ、ダイサギ、アオサギはめずらしくない。
ほかに胸から頭、羽根の一部が赤いアマサギがいて、これはめずらしい。
西表にはウシが放牧されている牧場があり、そんなところでウシの足もとにサギが集まっていた。
ウシは食用として有名な石垣牛らしい。
30年まえのこの島にはまだ耕作に使われる水牛がいて、その背中にサギがとまると一幅の東南アジア的風景画になるんだけど、現在では水牛は観光事業にリクルートされて、農業に従事するものはほとんどいないようである。
べつの日には、船浮の桟橋でアジサシが水中にジャンプしているのを見た。
それで気がついたけど、ここにはカモメがぜんぜんいない。
かまどま荘の主人の話では、いないことはないそうだけど、少なくともわたしは西表島で1羽も見なかった。
むかし沖縄本島にあるナガンヌ島という無人島でアジサシの群れを見たことがあるけど、ここにもカモメはひとつもいなかった。
どうもこちらではカモメの生息域をアジサシが占領しているようだ。
でも青い空を背景にまっ白なアジサシが群舞しているところは、いかにも南海の楽園らしくて、わたしはとっても好きである。
ここに載せた写真は、上からアカショウビン、アマサギ、アジサシで、すべてネットで見つけたもの。
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