朝日の反省の2
今日の朝日新聞は、慰安婦問題の検証と反省の第2弾。
昨日の反省はなんだったのかといいたくなるくらい、いつもの朝日の論調にもどってしまった。
なんとかかんとか理屈をならべて自分たちの言い分を正当化しようとする。
すなおに反省できないのはインテリの性 (さが) なんだろうけどね。
わたしは歴史好きなただのアマチュアだけど、それでも朝日の記事にはいらいらさせられることがある。
今日の特集では90年代というのがやけに強調されていた。
つまり慰安婦問題を不動のものにしたきっかけは、1990年代のハンギョレ新聞であって、自分たちのせいではないといいたいらしい。
でも朝日新聞阪神支局の襲撃事件が起こったのは1987年だ。
暴力を肯定する気はないけど、それ以前から朝日新聞に対していらいらをつのらせていた人はたくさんいたにちがいない。
そもそも今回の特集では、慰安婦問題が現在のようなかたちで固定化されたあとのことばかりが問題にされている。
問題の本質は、そして朝日が反省すべきなのは、それ以前の報道の在り方なんだけど、それがぜんぜんわかってない。
今日は自分たちの主張を正当化するために、米国の学者や大学教授を動員してきた。
米国の女性学者が主張するのは、やはり慰安婦問題が固定化したあとのたてまえ論で、女性の人権や売春制度の否定を持ち出されれば、ゴモットモとしかいいようがないではないか。
この学者サンに欠けているのは、もっと人間の本質を深く掘り下げることだ。
ほうっておけば男は女を求めるものだということを無視して、たてまえ論をふりまわすようでは、わたしは彼女を信用しない。
そもそも慰安婦制度そのものが、二度と南京のような略奪暴行を誘発させないように、兵士たちに性のはけ口を与えようという日本軍の、アタタカイ思いやりであったことも考えなくちゃ。
それをいいことだとまではいわないけど、中国やロシアの軍隊のように、好き勝手に現地調達しろというよりはマシじゃないか。
こんなことを書くと大阪の橋下クンみたくなっちゃうけど、彼もそうとうにいらいらしていたんだろうねえ。
動員された中央大学の教授という人も、結論からすれば朝日を擁護する意見だ。
個人でも国家でも間違うことはあるのだから、すなおに過ちを認め、再発防止の策をとることが大切だと、はじめから日本がワルイという言い分である。
慰安婦制度の評価が固定しまってからの意見で、問題の原点というものをぜんぜん考慮していない。
慶応大学教授という人は、日本もガラパゴスであってはいけないという。
日本の主張は国際的に通用しないものであるから、世界に合わせる (そして反省する) べきだというのである。
これも問題が固定化されてからの意見であって、それ以前の事情を一顧だにしていない。
これでは自分たちの言い分をきちんと主張せず、まわりに合わせろといってるようなものではないか。
こんなアホな意見を吐く人が大学教授なら、わたしにでも準教授くらい勤まる。
河野談話というものが、正当化の理由づけのためにしょっちゅう出てくるけど、これってゼッタイ的におかしくないか。
歴代の内閣も慰安婦を認めて謝罪しているではないかといいたいらしいけど、そもそも河野談話というものが、中国や韓国とことを荒立てたくない当時の政治家たちの、まあ、謝っとけという妥協の産物であったことが、朝日のこの特集を読んでもわかるのに。
ああ、いらいら。
今日の特集で読むべき価値があるのは、現代史家・秦郁彦さんの記事だけだ。
秦さんの意見も反対側から見ただけで、上記の米国や日本の大学教授と同じじゃないのかという人がいるかもしれない。
しかし歴史を大きな位置から俯瞰できる人なら、当時の日本軍がアジアではもっとも規律厳守で、統制のとれた軍隊であったことを知っているはずだ。
こんなことを書くと、おまえもナショナリズムに毒されてんなという人がいるかも。
しかしこのことは当時、外部から日本を観察した客観的第三者である、たとえばイザベラ・バード女史の紀行記などにはっきりと書かれている。
わたしの個人的な意見じゃないゾ。
人間のさがというものをよく心得たヤサシイ日本軍なら、兵隊の暴走をおさえるために慰安婦制度をつくってもおかしくない。
そして世間体のわるいそんな制度を、政府がちょくせつ運営するのではなく、民間企業に丸投げするという手法は、江戸時代の遊郭でも原発事故の復旧作業でも日本のお家芸だ。
こう考えれば、日本軍が民間の商人を介して、慰安婦にきちんと給料を払っていたと考えるほうが無理がない。
なんでも金で解決ってのも日本の十八番だけど、当時の中国、朝鮮には日本軍がいい給料を払うといえば、家の貧困や親の借金の肩代わりのために、身を売る女性はたくさんいただろう。
慰安婦は強制的に連行されたなんていう人もいるけど、そんなら現地で兵士に勝手にやらせておけばいいことで、制度なんかつくる意味がないではないか。
慰安婦制度を賞賛しろとはいわないけど、こうした日本の言い分を周辺諸国へきちんと説明行脚することで、はじめて朝日新聞の贖罪は成就されることになるだろう。
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