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2014年9月18日 (木)

SF小説

001

オレンジ色の囚人服のようなものを着せられた男性が地面にひざまづいている。
かたわらに立った黒ずくめの男が、手に持ったナイフをふりかざし・・・・・・ あまり鋭利なナイフではないみたいで、ギーコギーコとのこぎりのように使って・・・・・・ 囚人服の男性の首を切断する。
おもわず目をおおいたくなるような残酷な光景だ。

シリアで 「イスラム国」 のテロリストが、米国人ジャーナリストを殺害する映像をちらりと見た。
ひどすぎる。残酷すぎる。
米国人にとっても大ショックだったようで、オバマ君はまた泥沼の中東にひきもどされてしまった。

それにしたってどうしてこうモグラ叩きみたいに、あとからあとからテロリストが出てくるのか。
やればやるほど、叩けば叩くほど、あちらさんは増殖するようにさえ思えてしまう。

ちょっとまえになんとかいう学者の、新しい資本主義論みたいなものを読んだけど、資本主義がいまのまま進化すれば、貧富の格差が大きくなるのは当然なんだそうだ。
金持ちは資金を大規模に投資にまわせるのに対し、日々の暮らしにもこと欠く貧乏人はそうはいかない。
金持ちは自分の子供の教育や技術取得に金をかけられるけど、貧乏人の子供は大学にも行けない。
スポーツや芸能の分野で能力を発揮するためにも、やっぱりそれなり経済力は必要だ。
けっきょくひとにぎりの持てる者が、その他大勢の持たざる者の上にあぐらをかくという図式が、子子孫孫の代まで続くらしい。

これじゃ不公平感や疎外感を感じる若者が増えるのも当然だ。
欧米からも若者たちが、志願してテロリストに加わっているという。
不公平を是正するどころか、格差社会の先端をゆくアメリカが、いくら正義をいってもそうした若者たちには通じまい。
テロリストをなくすもっとも効果的な方法は、貧富の差をなくし、現在の日本みたいに、文句はいいつつも、やっぱり余所よりはいいもんなと思わせられる社会をつくることだ。
ということぐらい、みんなわかっているんじゃないか。
わかっちゃいるけどやめられない。
かくしてテロリストは雨後の竹の子みたいに続出する。

わたしがSF作家なら、ますますひどくなる格差社会に対して、ついに反乱をおこす労働者たちの物語を書くだろう (よくある話だけど)。
ひょっとすると現在の対テロ戦争というのはそういうものかもしれない。
わたしたちは持てる者と持たざる者の前哨戦を見ているのかもしれない。
だからといってテロリストの側に正義があるとはいわないし、無人攻撃機で爆撃するアメリカを応援しようって気にもなれない。
前哨戦は、おたがいに情け無用の殺し屋たちが殺し合う血まみれの戦場だ。

テロリストに殺された米人ジャーナリストは、首を切られる最後の瞬間まで、尊敬に値するくらい毅然としていた。
彼はこの戦闘で最初に抹殺される “良識” というものの代表ってことになるだろう。
世界は破壊と混乱におちいって、その荒廃のなかから、ふたたび “良識” がよみがえるはずなんだけど、資本主義に代わる新しい経済法則を発見できないから、わたしのSFは、いまんところオチのない未定稿でしかない。

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