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2014年10月 9日 (木)

絶望

583

「イスラム国」 に参加するんだといって、出国直前にとっつかまった大学生。
聞いた話じゃイスラムについてほとんど知識もなく、たしかな信念もイデオロギー持ち合わせてない若者だったそうだ。
なんたるアホかってことで、ブログになんか書こうと思ったけど、とちゅうではったとペン、いや、キーボードを打つ手がとまった。

わたしの場合、自分自身をふりかえると、あまり他人のことをとやかくいえた義理じゃない。
わたしの人生はみごとなくらい頼りないものだった。
この大学生と同じ歳のころ、人生に目的を見出したこともないし、学問を身につけたり手に技術をつけるためにがんばった記憶がぜんぜんない。
マンガ家になろうなんていうのは、みごとなくらいの現実逃避で、そんなものにはかない望みをかけて、だらだらと毎日を生きていたのである。

ただ、わたしの場合は幸運だった。
わたしの人生はバブルの勃興期とちょうど一致していて、食っていくだけならわりあい簡単な時代だった。
職種に贅沢をいいさえしなければ仕事はいくらでもあったのだ。
おかげで、いやいやながらでも仕事をしていれば、そして独身のままでいれば、この歳になって海外旅行ができるくらいの貯金もできたのだ。
世間から距離を置いたままでも細々と生きていけたのである。

しかしわたしが現在に生まれていたら、おそらくこの大学生と同じように閉塞感においつめられていたと思われる。
むかしだって社会に矛盾や不条理を感じることはあったけど、それによって絶望的なまでに追いつめられることはなかった。
しかし現代の (わたしや彼みたいな) 若者をとりまく環境は、のっぴきならないものになっているような気がしてならない。
拝金主義にイヤ気か差し、そういうものと無縁の場所でのんびり生きようと思っても、まず仕事がなければ食っていくことができない。
そう考えると、身動きもとれないような現状から、半分自殺まで考えて、「イスラム国」 へ脱出しようと考える気持ちもぜんぜん理解できないわけじゃない。

この問題についてはもうすこし考えてみることにする。

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