西表Ⅱ/宿屋の2
西表島には安い宿がたくさんある。
食事をつけなければ2500円なんて民宿もあり、わたしも利用したけど、ヘタな山小屋よりは待遇はいいだろう。
西表に上陸して最初の晩は、かって知ったる民宿カンピラ荘に泊まった。
民宿はたくさんあるけれど、この宿は季節を問わず安定して営業していて、リピーターも多いらしい。
ほかの民宿は休業していたり、宿の人間がどこかに行っちゃって、呼べど叫べど誰も出てこないなんてことが多いのである。
カンピラ荘では、風呂なんかいちども使わなかったのに、見栄をはってバストイレつきの部屋にしてもらった。
ただ食事については、偏食のわたしはそのへんの食堂に行って好きなものを食べるほうがいいので、つけてもらわないことにした。
つまりバストイレつきの素泊まりである。
行き当たりばったりで、なにを基準に宿を選んでいるのかサッパリわからないけど、こういうのも認知症のせいだろうか。
午後の4時ごろになって、そのへんに食事に行ってみたら、お目当ての食堂はタッチの差で営業が終り、もうひとつはハナっから休業していた。
あわてて宿にもどり、やっぱり食事もつけてくださいとお願いする。
すると2食とバストイレつきが6000円になる。
安いか高いか意見の分かれるところだろうけど、メシは食わないわけにはいかない。
晩メシが口に合わなかったのはこのカンピラ荘だ。
宿の名誉のためにいいそえると、質・量とも不足はなしで、わたし以外の宿泊者は文句をいわずに平らげていたから、カンピラ荘に責任はない。
欧米人のカップルや、バックパックを背負ったひとり旅の若い娘も泊まっていたくらいだから、ここは西表ではかなり有名な宿なのである。
カンピラ荘のあと、わがままを聞いてもらったおかげで、白浜の旅館に3連泊したことはすでに書いた。
夜中にカップラーメンを食べたことも書いた。
オフシーズンだったからいいけど、部屋が満室になる季節だったら、とても夜中にラーメンは食べられない。
この旅館にかぎらないけど、外見は台風にも負けないくらい頑丈にできているのに、西表の民宿はたいてい歩くと廊下がギシギシと音をたてる。
これでは夜中にうろうろしたら不審者と思われてしまう。
上記のいずれの宿も予約なんかしていなかった。
ネット予約なんかするよりも、じっさいに目で見て選べるから、7月8月のピーク時をのぞけばこのスタイルのほうがいいと思う。
無線LANが使えないことも共通していたけど、どの宿も桟橋ターミナルが近く、そこまで行けばインターネットもできるから、とくに不便でもない。
夜中に出かけてメール確認をしようとしたら、桟橋は明かりが消えてまっ暗だった。
仕方ないから飲み物の自販機の明かりで iPod を使ったこともある。
添付したのは、泊まってみなかったけど、大原にあったなかなか好感のもてる民宿。
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