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2014年11月14日 (金)

西表Ⅱ/刺し網

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わたしが市場だとか、博物学みたいなものに関心があることは、このブログを読んでいる人ならとっくにご存知だ。
今回の西表島では白浜というところに3泊した。
ここでは毎朝刺し網が揚がる。
海の漁業方法にはいろいろあるけれど、見ていておもしろいのは定置網や地引網、刺し網である。
こういう漁法だと、小イワシからアジ、タイ、カツオ、ヒラメ、イカ、フグ、エイ、クラゲ、大きなものではウミガメやイルカまで、さらに沖縄ではめずらしい熱帯魚など、いろいろな魚が一網打尽でかかるから、その水揚げはヘタな水族館よりおもしろいくらい。
それで今回の旅の報告は、刺し網の写真からだ。

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白浜の刺し網漁師は、かってはたくさんいたそうだけど、現在では3人ぐらいになってしまったそうである。
ご多分にもれず高齢者が多い。
原因は不漁である。
わたしなんかが見ると大漁じゃないかと思えても、いやいや、むかしはこんなものじゃなかったよといわれてしまう。
いくらたくさんかかっても市場価値のないえものでは仕方がない。
ウツボやハリセンボンなんかいくらかかっても値段がつかないのだそうだ。
しかも石垣島だけでは需要がかぎられているから、飛行機で沖縄本島まで運ぶことになり、価値のない魚ではますます、輸送費も出ないということになる。
漁船の燃料代や網の買い替えなどの必要経費もかかるし、漁師の生活はけっして楽じゃないのである。

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刺し網をながめているだけで、この国の農業、漁業に共通する問題が見えてくるけど、おりしも沖縄では県知事さんの選挙のまっ最中だった。
立候補している喜納昌吉さんとはあとでいっしょに飲む機会があった!
県外人のわたしに投票する資格はないから、写真で実情を伝えるくらいが精いっぱいなんだけど、政治家にはぜひこういう僻地の漁師のことも考えてほしいものである。
この旅でもどっちかというと、肉より刺身主体の食事ばかりしていたわたしは、漁業の将来にはとくに切実な考えを持っているのである。

この白浜で、わたしは印象的な漁師に出会ったが、彼のことはもっとあとで書く。

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