西表Ⅱ/喜納昌吉さん
ほんとうは宿屋の続きを書こうと思ってたけど、ちょうど沖縄の首長選挙が終わったから、それについて書く。
あまり高尚な政治問題を期待されても困るんだけどね。
石垣島にいるあいだは、晩メシは行きつけの 「金ちゃん食堂」 に行った。
ある晩行ってみたら、カウンターのわたしのとなりに若い娘が座っていた。
さっそくくどこうかと思ったけど、最近のわたしは身のほどを心得ているから、そういうことはしないのである。
「金ちゃん食堂」 で石垣在住のわたしの友人と話していたら、ピンク色のTシャツを着た4、5人のグループが入ってきた。
友人がその中のひとりを知ってますかと耳打ちする。
すぐにわかった。
団塊の世代なら沖縄発のロック・スター喜納(きな)昌吉さんのことは知っていると思うけど、ピンクTシャツのリーダーがその人だったのである。
彼は今回の沖縄県知事選に立候補しており、選挙活動のあい間にこの食堂に立ち寄ったというわけだ。
知事選の結果はすでに出た。
翁長雄志さんという辺野古移設に反対する候補が当選したけど、よくわからない。
ほんとうにに反対するなら、はっきりそういうべきで、そう、喜納昌吉さんみたいに。
そのへんが曖昧なのは沖縄県民の迷いを象徴しているように思える。
これからは翁長雄志さんも政府とのかけひきに転ずるのではないか。
喜納昌吉さんはなかなか楽しい人だった。
わたしと握手したあと、店にあった三線で即興の演奏を聞かせてくれた。
へそまがりのわたしだって、相手に面と向かったら、頑張ってくださいていどのお世辞はいう。
でも考えてみたら、わたしには沖縄での選挙権がないのだった。
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