稲子さん
新聞に連載されていた有馬稲子さんのインタビュー記事を読んでいたら、その最終回で稲子さんは、子供をつくらなかったのが最大のこころ残りだと語っていた。
わたしなんかがみると、彼女の人生は順風満帆に思えるけど、子供をつくって、その子をどんな苦労をしても育ててみたかった、わたしの人生、どう思いますと逆にインタビュアーに問いかけている。
その言い方には、悔やんでくやみきれない悲痛なものが感じられた。
写真で見る彼女はあいかわらず美しいけど、この新聞に載ったころの彼女は、すでに80歳を超えている。
人生さまざま。
華やかな一生をおくってきた人も、わたしみたいなどうしようもない人間も、到達した場所が似通っていたという場合があるらしい。
さあ、どうだ。
人生というものは人間の意思で変えられると思うか。
インタビューの最後で、稲子さんは現在の自分の心境についていう。
うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ
これは良寛の句だそうである。
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