西表Ⅱ/思い出のうなりざき荘
過去に何度か西表を訪ねたことのあるわたしにとって、今回は過去の思い出をたどる旅でもあったのだ。
思い出ってツラじゃないけど。
レンタカーで 「うなりざき荘」 に行ってみた。
ここは30年前にはじめて西表にやってきたとき泊まった宿である。
西表におけるダイビング民宿のはしりであったような宿で、バブルのころしこたま儲けたらしく、いまでは御殿のように立派なホテルに建て替えてあった。
名称もいまでは横文字の 「イルマーレ・ウナリザキ」 である。
それでもかたわらに、わたしが泊まった当時の建物も残っていた。
そちらはいまでは物置きにしか使われてないようだけど、わたしはここで福岡から来た可愛い女の子らと過ごしたものである。
過ごしたといっても、たまたま宿に泊まり合わせ、翌日はみんなでダイビングに行っただけだから、イヤラシイ方向に拡大解釈されちゃ迷惑だ。
まだ青春のひとり旅だったわたしは、この旧館の屋上で、ロマン派詩人のような顔をして、夕陽とまわりのパイン畑をながめていたものだけど、当時の女の子も現在の女の子も、ガードの固さはぜんぜん変わらない。
やれやれ。
火野正平みたいにはいかんよ。
イルマーレ・ウナリザキは、西表ではもっとも完備したダイビング宿かもしれない。
宿から100メートル歩いた月ケ浜海岸に、大きなダイビングボート2隻と、なぜかいつもそのあたりをうろうろしているクロサギ、そして完備した潜水用具の洗い場などが備わっているのだ。
便利で豪華で、映画の舞台みたいで、娘っ子ダイバーには人気がありそう。
でもあまり施設を拡大しすぎると、リーマンショック後のスキー宿が、軒なみ傾いたと同じ状況になる可能性もある。
西表島にダイビングショップは多い。
この島が日本で最後に残されたダイバーの楽園であることは認めても、資本主義的にはそれぞれのショップが生き残りを賭けて、熾烈な争いをくりひろげているのかもしれない。
わたしがごちゃごちゃいうスジのもんじゃないけれど。
建物のまえで従業員らしい女の子が草むしりをしていた。
いかにも体育会らしいきりりとした美人だった。
彼女も客が多いときはインストラクターになるのではないか。
写真は上から、わたしが30年まえに泊まった旧館。
つぎの2枚が現在の 「イルマーレ・ウナリザキ」。
そのあとは月ケ浜のダイビングボートと、そのあたりをうろうろしている鳥。
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