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2014年12月23日 (火)

木村サンの悲劇

ウチの新聞を配達してくるのはお相撲さんみたいな大きな図体の若者だ。
その彼がでっかい体を小さくして、粗品を持って、スイマセンでしたなんていってきたのが少しまえのこと。
例の朝日新聞の捏造問題が配達員の肩身までせまくしていたらしい。
べつにキミのせいじゃないからねと励ましておいたけど、今日の朝刊は第三者委員会による検証報告。

誌面を7、8面もつぶすような長い記事なんで、全部読むのには2、3日かかりそうだけど、とりあえずの印象をいうと、どうやら辞任した木村伊量(ただかず)社長に全部おっかぶせて、幕引きというか、組織の温存を図ったなってところ。
木村モト社長のほうもそれで納得しているようである。

今回の一連の騒動では、よそのマスコミからボロクソにいわれている木村サンだけど、はて、どんなものかねえ。
ある大企業でなにか不祥事が連綿と続いていて、これを正そうとする社長が現われたとする。
しかし彼が社長になるまでは、先輩に対して、それってマズくないですかなんてことはなかなかいえないだろう。
自分が社長になってはじめて、先輩たちが脈々と受け継いできた不祥事の連鎖を断ち切る権限が得られるのである。
朝日新聞の捏造はなにも木村サンが始めたわけじゃない。
むしろ彼は過ちを認め、それを正す役割を担った勇気ある社長という見方もできる。

こんなことを書くと、彼は最後までゴマかそうとした悪漢だなんていう人が出そうだけど、企業の内部事情は部外者にはなかなかわからないものである。
ゴマかすのではなく、必死で組織に害が及ばないよう、辞任後の始末を調整していただけかもしれない。
全部オレがかぶるからということで、ようやく調整がすんだってことじゃないか。

悲劇?の木村サンに対して、退職金の返納という声もあったらしいけど、それなら過去の社長さんからはどうするんだと文句をいいたくなってしまう。
貧乏人にはうらやましいような退職金を、すでにもらって退職してしまった社長や幹部の責任はどうなるのか。
勇気ある決断をした木村サンだけが文句をいわれるのは片手落ちだ。

べつに朝日や木村サンに義理があるわけじゃないけど、世間一般には風評に流される馬鹿が多いから、ついこんなことを書いてしまう。

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