西表Ⅱ/カンピレーの滝
ぜんぜんふつうの観光旅行と変わらんじゃないかいわれてしまいそう。
今回は有名な名所であるマリュドゥの滝、カンピレーの滝へも行ってみた。
前回の訪問では、とちゅうにある展望台からマリュドゥの滝をながめただけで引き返してしまったので、これも再挑戦だ。
そのとき引き返した理由は、滝よりもそのとちゅうの森の中で見る生きものに関心があったのに、珍獣も怪獣もT-レックスも見られなかったから。
しかしもとアウトドア派のわたしだから、やっぱり滝も、いちどはすぐそばで見ておかないとマズイだろうなと考えた。
このふたつの滝へは浦内川のクルーズ船でゆく。
このクルーズについては前回の西表訪問の記事を参照のこと。
シーズンオフだけあって、観光客の数は少ない。
12時きっかりのクルーズ船に乗り合わせたのは、欧米人の老人とその通訳らしい女性のみ。
この時期にわたしの知り合いがグループで、石垣島と西表島を訪問していたけど、それは2泊3日という、忙しくて経済的なツアーだったから、ここまでは来ないはずである。
展望台までは、専門の知識がないと見てもさっぱりわからない亜熱帯の植物のあいだを行く。
前回はしょぼしょぼと咲いていた花も今回は咲いてない。
あいかわらずぐうたらな自称博物学者にはおもしろくない道だ。
小鳥の声は聴こえるけど、すがたはめったに見えない。
観光客が大勢やって来るようなところでは、やはりめずらしい生きものを期待するのは無理のようだ。
マリュウドゥの滝は閉鎖されていた。
なんでも滝の周辺で事故が相次ぎ、それで立ち入り禁止になったんだそうだ。
この滝は飛び込んだらおもしろそうな滝つぼを備えているから、アイス・バケツ・チャレンジの発案者が2階から海に飛び込んで亡くなったみたいに、おおかた昨今の無鉄砲な若者が、自分の雄姿をビデオに撮って YouTube に投稿しようとして、あやまって腹かケツを打ったかしたのだろう。
あとからやってきた観光客には迷惑な話だ。
本人の事故責任てわけにはいかないものか。
わたしも飛び込んでみたい。
立ち入り禁止の看板を横目に見て、カンビレーの滝へ急ぐ。
4番目の写真は、前回に展望台からながめたマリュウドゥの滝。
カンピレーの滝は予想していたとおり、観光名所にあまり興味のないわたしには、感動して動けなくなるようなものではなかった。
岩の表面を水が流れているだけである。
こういうのはなめ滝といって、山の多い日本ではけっしてめずらしいものではなく、最近ブームになっている滝登りのいいアタックコースになっている。
西表の滝には、流れの中に南国特有のめずらしい小動物がいるかもしれないけど、そんなものを探している時間がない。
帰りの船の時間が決まっているのだ。
船をひとつ遅らせれば時間はあったけど、“アマチュア”を強調する博物学者には、そこまでする義理かないのである。
滝のわきでカップルが写真を撮っていたけど、わたしの顔を見るとさっさと引き上げていった。
わたしのことを不審者と思ったのでなければいいが。
わたしも買っていったパンを食べただけでさっさと帰り支度をした。
山歩きには慣れているから、腕時計を見ながらてきとうに時間調整をして、わたしは船の出発のジャスト5分前に船着き場にもどった。
もどったのは14時半だから、2時間ほどの山歩きだったわけで、ま、軽い足の運動にはなったみたい。
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