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2015年1月31日 (土)

想像

「イスラム国」が沈黙を保っている。
これまでの彼らのやり方からすると、ちょっと奇妙である。
そこでこれについて大胆な想像をしてみる (妄想でもいっこうかまわないけど)。
たぶん多くのジャーナリストが同じことを考えていて、ただ発表できないだけだろう。

ヨルダンが交換条件としている空軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉は生きているのか死んでいるのか。
これまで 「イスラム国」 は、ほとんどの場合、拘束した人間を動く映像で公開してきた。
しかも彼らの中にはビデオ映画の制作が趣味だとか、その映像を加工したり、YouTube で公開したりが大好きな、わたしみたいにネット中毒のスタッフもいるらしい。
だからパイロットが生きているなら、映像を公開するほうが自然のような気がする。
ところが今回は、パイロットの最新の消息は、後藤さんがメッセージを発するときにかかえていた写真だけだ。
これはいったいどういうことだろう。

わたしは 「イスラム国」 が、地面にひざまづかせた10人ほどの捕虜を、後ろから射殺する映像を見たことがある。
このときの捕虜は欧米人ではなく、イラクやシリアの政府軍兵士のようで、交換要員のための人質にしようとか、身代金を取ろうとかいう様子はまったくなく、それこそ問答無用の皆殺しという感じだった。
おなじイスラム教徒のくせして、なんでアメリカの味方をするんだという近親憎悪のようなものまで感じてしまったくらい。

捕虜になったヨルダンのパイロットも、こうした憎しみの対象にされていても不思議じゃない。
つまり、とっくに殺されていても不思議じゃない。

パイロットが殺されていれば、拘束されている後藤健二さんにとっても、はなはだ具合のわるいことになる。
ヨルダン政府はパイロットの釈放が条件だといってるし、その肝心のパイロットがすでに存在しないのでは、「イスラム国」 のほうも応えようがない。
彼らが後藤さんと引き換えに釈放を要求しているリシャウィ死刑囚についても、ヨルダン政府は、パイロットを殺せば彼女もただちに死刑にするといってるみたいだけど、だいたいこの女については、行き当たりバッタリで要求を出したみたいで、「イスラム国」 にとってなにがなんでも奪還したい重要人物とも思えない。
せっかく助命してやろうとハードルを下げたのに、どうにもならない条件を持ち出しやがってと、相手がこの交渉そのものをオシャカにしてもおかしくないのである。

ただ、沈黙を守り続けている理由がよくわからない。
パイロットがまだ生きていて、その映像を加工するのに手間取っているだけならいいが。

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