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2015年2月22日 (日)

ロシアⅢ/ホテル

Mhotel

出発前にいろいろホテルを選択した。
いまはインターネットで外国のホテルの料金や所在地まで調べられる時代である。
もちろんホテルの外観もわかる。
わたしが選んだサンクトペテルブルクのホテルは、「エムホテル」 といって、エルミタージュと、サプサン号の発着するモスクワ駅との中間あたりにある。
外観はネットで見つけたこの最初の写真にあるとおりで、青空の下にあっけらかんと広がった健康的なホテルのようである。

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ところが
迎車がどんと乗りつけたのは、フランスのギャング映画に登場する場末の路地みたいなところだった。
予想とのあまりの落差に、えっ、ここがホテルかいと尋ねると、運転手は建物の入口にわびしく光る、M-HOTELのネオンを指さした。
わたしは荷物を自分でえっちらおっちら運んで、ホテルの玄関に向かうしかなかった。
2番目の写真は、昼間撮った、いかにも場末ふうなその路地のようす。

こういうことはよくあることだけど、ネット上のホテルの写真は、たいてい建物のいちばん見栄えがいいものを使うに決まっているから、あまりすなおに信用すべきではない。
あっけらかんと広がっていると思ったホテルは、じつは建物に囲まれた、せまい中庭みたいなところにあった。
まあ、これもおもしろいと、ふだん後ろ向きのわたしは前向きに考えてしまうけど。
3番目、4番目の写真は、ホテルの前の中庭で、上の写真の左奥の通路から入ってきて、ホテルの玄関は右側の建物にある。

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玄関を入ってしまえば、とくに文句をつけるところもない。
フロントにはメガネをかけた小太りの女性がいて、なんとかのかんとかのという。
何をいってるのかぜんぜんわからないけど、はあはあと言っていれば用事は済むことを、経験豊富なわたしは知っているのである。

わたしの部屋は2階で、そこまで行くエレベーターが怖かった。
エレベーターの床と廊下のあいだに隙間があり、ごろごろと日本のエレベーターではありえない動きをし、停まるときにはドスンと、勢いあまった車がバネで引き戻されるような振動がある。
わたしはシンドラーの事故を思い出し、出るときは息をとめていっきに飛び出ることにした。
このくらい用心深くないと外国じゃ生き残れないのである。
このエレベーターは3日目にこわれた。

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これ以外文句をつけるところはなかった。
バスルームにシャワーだけで、バスタブ、つまり湯船がなかったけど、それは外国のホテルじゃめずらしくない。
ベッドはほんとうのシングルである。
わたしは日本のアパートでは、ベッドの右側を壁に押し付けてある。
ところがこのホテルでは、日本にあるわたしの部屋のベッドと向きが逆だったから、夜中に寝ぼけて転がり落ちるところだった。
しかしこれはホテルの責任ではない。
5、6、7番目の写真はホテル内のようす。

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残念に思うのは、2年前に泊まった 「グリフォン」 というホテルが、このホテルより安かったにもかかわらず、室内の設備、従業員の対応、その美人であることなどが格段に上だったこと。
ただエレベーターがない4階のホテルなので、日本の旅行会社から相手にされてないらしい。

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