ロシアⅢ/アトラスの像
前回は他人の案内で見学したので、エルミタージュがロマノフ朝の冬宮だけではなく、そのまわりのいくつかの建物を連結した構造になっていることに気がつかなかった。
今回はそのあたりにも注意した。
わたしは2年前にオーロラ号からエルミタージュまでぶらぶら歩いて、エルミタージュの手前で、巨大なアトラスの石像がひさしを支えている建物に感銘を受けたことがある。
あとでそれが新エルミタージュと呼ばれる建物であることを知り、内部で連結していて、エルミタージュ美術館の一画をなしていることも知った。
だとしたら、それをエルミタージュの内側から眺めたらどんなふうに見えるのだろう。
そう考えて窓から外をながめてばかりいた。
アトラスの石像のま上にいるとアトラスは見えにくい。
しかしまわりの建物を眺めれば自分のいる位置の見当はつくから、どうもこのあたりだなというところで、監視のおばさんに聞いてみた。
ところが彼女はわたしがトイレの場所を訊いたと思ったらしい。
あっち。
いや、アトラス、アトラス。
あっちである。
いや、そうではなくて。
トイレについて訊くかぎりにおいては、おばさんはなかなか親切だ。
わたしはアトラスになったつもりで、天空をささえるポーズをとり、それはこの下かと訊く。
よやく質問を理解したおばさんは、大きく手を広げて、そうだそうだとわたしと感動を分かち合ってしまった。
このアトラス像は一見の価値があるけど、新エルミタージュは、その玄関から直接エルミタージュに入ることはできない。
なので大半の観光客は、外からアトラスを見ないまま終わるのではないか。
エルミタージュに入る前に、宮廷広場からエルミタージュをながめる機会があったら、冬宮のとなりにアトラスが見えるはずだから、お見逃しのないよう。
いちばん最初の写真は屋外で見たアトラス像。
付則みたいになるけど、わたしはエルミタージュで自分のいる位置を把握するために、窓があればたいてい覗いて自分のいる位置を確かめた。
で、ここでエルミタージュの窓から覗いた写真の特集だ。
またまた下らないことをしていると思われそうだけど、ネットにエルミタージュの写真は多くても、こういうアングルをねらったものはあまりない(みたいだ)から貴重だ。
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