ロシアⅢ/マキシマ・パノラマ
プーチンが核の準備をしたって大騒ぎ。
そのうちロシアへの渡航も全面禁止になって、わたしはまがりなりにもロシアへの自由旅行を体験した、最後のオトコってことになるかもね。
イスラム圏はすでに禁止のようなものだから、わたしみたいなボヘミアンにとって世界はどんどん狭くなっているぞ。
サプサン号の到着駅レニングラード駅で、メトロに乗り換えようとして、まごついた。
自分のいる場所を確認するために、いったん駅の外に出たのがいけなかったんだけど、ふたたび駅の構内に入ろうとしたら、出てくる客ばかりで押し戻されてしまった。
こちらの駅では出口と入口が歴然と分かれているのである。
おかげで駅舎をひとまわりして、極寒のロシアでいいかげん汗をかいた。
駅の構内でメトロの路線図を確認しようとしたら、それは旅行バッグの中だった。
取り出すためにはバッグを開けなければいけない。
現ナマは目のつくところに入れてないけど、大勢の人が行き交う場所でバッグを開けるのは危険である。
うまい具合に女性警察官が立っていたから、彼女の目の前の地べたにバッグを置いて、どっこいしょ。
すわ爆弾テロでも始まるかと、女性警察官が緊張したのがわかった。
それでも職務質問もされずに、コムソモーリスカヤ駅でメトロを乗り継いで、モスクワでは前回と同じ、「マキシマ・パノラマ」 というホテルに無事たどりついた。
このホテルはクレムリンやトレチャコフ美術館、また空港へ出るにも便利な位置にあるので、すっかりわたしのお気に入りだ。
今回のわたしの部屋は、南側に面した11階の、なんだかやけに豪華な部屋。
相撲取りでも寝られそうなダブルベットで、冷蔵庫にはビールやジュースが満杯だし、テレビもでっかいのがついていて、当然ながら無線LANつき。
窓のカーテンをシャーッと開けると、いっぺんに南側の展望が開けて、なんだかハリウッド映画のワンシーンみたいである。
コンピューターの記録などから、わたしが常連客であることがわかって、VIP待遇なのかもしれない。
いやいや、ひょとすると、ウクライナ問題で観光客が激減したせいかも。
そういえば同じ階でほかの観光客のすがたをぜんぜん見ず、11階はわたしの貸し切りみたいなものだ。
だからいわんこっちゃない。
風評被害におびえる人もいるけれど、テロや紛争の影響がモスクワにまで波及するわけもないし、こういうときこそロシア旅行の最高のチャンスなのだ。
部屋からさっそく旧知の金髪クンに電話をした。
時刻はすでに夜の8時ごろだったけど、両親から預かったものがあるというと、いまから行きますという。
やってきた金髪クンと部屋で懇談。
エアコンが効き過ぎで、部屋が暑い。
彼の説明では、部屋にはエアコンと別に温水パイプが通じているので、室温を勝手に変えられない。
窓を開けて外気を入れるか、服を脱ぐしかないそうだ。
不便なところである。
彼とは翌日また会うことになった。
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