ロシアⅢ/無線LAN
モスクワ駅の偵察をすませた日は、ホテルの周辺をうろうろしていた。
つまらないという人がいるかもしれないけど、わたしはぜんぜんつまらないと思わないのである。
ホテルに居すわって、ラフな服装で、いつでも気のむいたときに、ちょいと近所に出かけるっていうのが、わたしの理想の海外旅行なのだ。
つまり、なんだな。
名所旧跡を観てまわるのではなく、その国の住人になったような気分で、しばし日常生活を営んでみるってことだけど、こんな楽しみに共感をおぼえる人がほかにもいてくれるだろうか。
例のアーケードのある百貨店で酒とつまみを仕入れて、ホテルにもどるとちゅう、路地のとちゅうにあった小さなカフェに寄ってみた。
いくらなんでもそのままホテルの部屋でひきこもりじゃ寂しいから、カフェでビールでも飲みながら、しばらくタブレットを使おうって算段。
さいわいこちらのカフェはたいていWi-Fiが完備なのだ。
きれいな娘がすぐにメニューを持ってきた。
最初に持ってきたはロシア語のメニューだったから、さりげなく英語のメニューあるかいと訊く。
英語だってよくわからないのは一緒だけど、てきとうに注文してみたら、出てきたのは輪切りにしたイカのフライだった。
ビールのつまみにはけっこういけてる。
そんな調子でロシアの町の一角にポジションを見つけ、のんびりヤフーの日本語ページを読んだり、日本にいる知り合いにメールを送ったりする。
これでは日本にいるときのわたしの生活とあまり変わらない。
こういう生活ってひじょうに優雅といわないだろうか。
最初の写真の、丸の中にКафеと書いてあるのが、わたしがヒマつぶしをしたカフェ。
わたしのタブレットはネット契約をしていないから、そのままではインターネットをすることができない。
しかしロシアでは、いや、たぶんヨーロッパの先進国ではどこでもロシアと似た状況になってると思うんだけど、Wi-Fiがあれば、問題なく、ややこしい手続きも必要なしに、ネットが利用できる。
ホテルでは部屋の鍵といっしょにパスワードがついてくるのが当然になっているし、カフェではテーブルの上に最初からその店専用のパスワードを書いたものが置いてある。
あとでロシア人の友人に聞いた話では、地下鉄の中でも、本人のケータイの電話番号さえあれば、パソコンで無線LANが可能だそうだ。
乗車時間が短いから地下鉄では試してみなかったけど、これでは無線LANの使えない場所を探すほうがむずかしいくらい。
わたしがタブレットでネット契約をしていないのは、ただで使えるものをなんでわざわざ金を払ってやらなけりゃいけないのかと、ようするにケチだからである。
金を払わなくても世界がどんどん狭くなっていることは明白で、だからこそわたしは、ロシアでもひきこもりを続けることができたのだ。
そんなことを考えながら、ついビールを2杯飲んだ。
このときはカメラを持っていなかった。
写真はタブレットでも撮れなくないけど、カフェやレストランでカメラを持ち出すと、口コミ・サイトの投稿マニアと誤解されそうなので、あまり使いたくない。
そんなわけで店およびウエイトレスの写真がない。
仕方ないから、2年前のサンクトペテルブルクで撮ったカフェの女の子の写真を再利用してしまう。
ロシアのカフェではこんな美人が働いておりますということ。
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