病院
病院に行ってきた。
病院なるところにめった行かないわたしにとって、ひさびさの新鮮な体験だ。
今日は脳内の異常の有無を調べる(らしい)頚動脈のエコー検査。
検査室に入る。
検査室というのはカーテンで仕切った、ベッドひとつのスペースで、なにが始まるのか期待と興奮でドキドキしそうなところ。
こんなところで血圧を測ったら、また急上昇だ。
若い女性の検査技師が、そこに仰向けになって寝てくださいという。
服を着たままでいいですかと、ナニ考えているのかねといわれそうなわたし。
カーテンをシャーッと引くと検査室はまっ暗だ。
検査するのになんでまっ暗にするのかと思ったら、テレビモニターを見やすくするためだった。
検査技師はわたしのかたわらで手のひらにオイルを塗る。
どこかで見たような、卑猥さを感じさせる所作である。
つぎにマッサージ器みたいなものを引っ張り出して、じわっとわたしに寄り添う。
その先端の丸い部分をわたしの首すじにやさしくあてがって、グリグリと、そうするためにますます体を密着させてきて、彼女のひじはわたしの胸の上だ。
腕をのばせばそのまま彼女の腰を抱きしめるのも無理ではない。
血圧上がってんだろうなあ。
こんな目くるめく官能の行為は10分ほどで終わり、わたしはまた衣服を身につけ、いや、服はぬいでないから帽子をかぶり、うしろ髪ひかれる思いで検査室をあとにした。
あいかわらず病院をなんかと間違えとるなといわれそう。
いいじゃん、大枚1600円も取られたんだ、このくらいの妄想でモトをとったって。
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