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2015年3月 6日 (金)

ロシアⅢ/くたびれる

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4時間ほど歩きまわってくたびれた。
旅行会社が募集しているロシアツアーの中には、エルミタージュ見学に6時間を確保なんてものもあるけど、これはそうとうにくたびれる。
全部をじっくり観るにはそのくらいかかることは間違いがないが、6時間のうちの1時間か2時間は、エルミタージュに入場するために並んでいる時間だとしたら、こりゃ八甲田山の死の行軍だ。
足腰の弱い人や、心臓に欠陥のある人がウレしがるのはどうかと思う。

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わたしの鑑賞態度は不謹慎であるけれど、考えてみると2年前にいちど来ている場所であるから、あのときとまったく同じ感動があるはずがない。
結局のところ、わたしは評価が決定した有名な絵画にひかれたわけではなく、その技法などを研究に来たわけでもない。
絵画の中に固定された過去という時間を観に来たのである。
ロシアに来たのは、絵を通して、あこがれのロシア、目路はるかに続く麦畑や雪原が地平の彼方まで広がるロシア、アレクサンドルネフスキーやイワン雷帝が君臨していたころのロシア、トルストイが描いた母なるロシアなどなどを、想像で旅してみたかったからである。
ロシアまでやって来て、オランダやフランス、スペインなどの絵を観たって仕方がない。
わたしがロシアの作品ばかりを集めたトレチャコフ美術館やロシア美術館には、ひじょうな執着を持っているのに、エルミタージュの絵画にそれほどの魅力を感じないのはそういうことだろう。

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そろそろ引き上げようと、出口に向かった。
エルミタージュにも近代化の波は押し寄せている。
わたしは2年前のエルミタージュの記事で、バリアフリーについて書いた。
建物自体が美術品のエルミタージュでは、むやみにスロープやエスカレーターをつけるわけにはいかないと書いたけど、それでもバリアフリー化は少しづつ進んでいるようだ。
5番目の写真は身障者のための昇降機。
出口の近くにはコンピューターによる作品の検索システムもあった。

そういうものを横目に、午後4時ごろ、わたしはげっそりとアゴを出して、この世界有数の美術館をあとにした。
また来ることがあるだろうかと、いささか疑問を感じながら。
腹もへった。

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