居座りの功罪
ウチの新聞があまり目立たない 「プーチンの実像」 というシリーズを連載している。
わたしはプーチンファンなので、興味を持って読んできたけど、昨日のそれでは 『長期政権のわな』 という記事。
どんな政権でも長く続けば飽きられるというものである。
プーチンもすでに15年ちかく最高権力者の地位にあって、そろそろ飽きられてもおかしくないとこの記事は書く。
なにしろ最近はどこの国でも、トップを変えればもっとよくなると、短絡的に考える国民ばかりだ。
大統領就任まえのプーチンに2人の記者がインタビューしていて、彼らはまったく正反対の印象を持ったという。
ひとりはプーチンのことを、大統領にふさわしくない、戦術はあっても戦略のない候補だと感じたそうである。
もうひとりは、プーチンを好ましい大統領候補と感じ、現在でもプーチンにもっとも信頼される記者であるそうだ。
この違いは、つまるところ、その後のプーチンをどう評価するかってことだろう。
わたしみたいに、かって混乱をきわめたロシアを知っている者にとっては、彼はその危機からロシアを救った (戦略のある) 大統領であり、わたしに監視なしの自由な旅行を保証してくれた大統領でもあるのだ。
そんなプーチンがいま岐路に立たされている。
15年間、彼は動かないこの国をなんとか動かしてきた。
マフィアと結託したオリガルヒたちを一掃し、一般市民でも公平な商取引ができるようにし、ロシアをグローバル社会の一員として認めさせることに成功した (なにしろわたしはそれをじっさいに見てきたのだ)。
しかしプーチンが引退したら、それがもとの黙阿弥になってしまわないか。
あとを継ぐ者が彼と同じような剛腕で、将来をきっちりと見据えた愛国者ならいいけど、ロシアにはそんな政治家はあまりいないのだ。
たいていがウクライナの政治家といっしょで、政治を儲かる商売と考える手合いばかりなのである。
わるい政治家にとっても、よい政治家にとっても、引退時期を決めるのはむずかしい。
わたし個人的には、プーチンがまだ50年くらい (シンガポールのリー・クアンユーみたいに) 長期政権に居座ること、それがロシア国民の幸せであり、ロシア旅行をしたいと考えている日本国民の幸せでもあると考えているのだ。
どうも自分の都合が前面に出てるみたいで恐縮デスガ。
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