カリマンタン/ぼちぼち
残り少ない人生なのに、どこへも出かけないとストレスがたまるばかりだ。
行きたい国はたくさんあるのに、イスタンブールやサンクトペテルブルクをじっくり見てきたら、ヨーロッパ方面はツキモノが落ちたみたいにその気が失せてしまった。
そもそもサンクトペテルブルクは、ヨーロッパの街をなぞって建てられた街なのだから、パリもローマもマドリッドも、基本的には同じようなものだろう。
同じようなものを見ても仕方がない。
ここはひとつ、思いきり風変わりなところへ行ってみたい。
すこしまえにこのブログで、ヘビやトカゲや、変わった昆虫がうようよしているところへ行きたいなんて書いたばかりだけど、そうなるとアフリカやアマゾンが候補になりそう。
しかしわたしは知っているのだが、アフリカもアマゾンも発展しすぎで、いまどき裸の原住民が野生動物を弓矢で追っかけていると考えるほうがおかしい。
開高健の 「オーパ!」 なんて世界は、出版社の後押しで、ボートを乗り継いで3日かかるような奥地まで行かなければとても見られるはずがない。
わたしの後押しをしてくれる出版社なんてありそうもないし。
うーんと考えた。
ボルネオだとか、ニューギニアなんてのはどうだろう。
このあたりはかって日本軍が進駐したくらいだからそれほど遠いわけじゃないし、名前を聞いただけで、爬虫類や昆虫がうじゃうじゃと湧いて出そうではないか。
たしかロックフェラーの息子が原住民に食われたのもニューギニアだったよな。
よし、決めた。
冬のロシアからいきなり南洋の島というのも極端だし、べつに原住民の食卓に上りたいわけじゃないけど、つぎはあのへんに行こうと、例によっていろいろ調べてみた。
3年前にバリ島に行って、じつはそっち方面になじみがないわけじゃない。
バリ島は世界最多の島嶼国家であるインドネシアの、その無数にある島のひとつであり、この国の人々は敬虔なイスラム教徒、もしくはヒンドゥー教徒 (ほかにキリスト教徒もいる) で、人心はおだやか、治安もいいことは確認ずみだ。
そういう長所は誰でも認めるらしく、欠点は押し寄せる観光客がやたらに多いこと。
わたしは混雑がキライである。
しかし同じインドネシアでも、もっとずっと田舎、あまり有名でないところならどうだろう。
そういうつもりで、インドネシアの一部であるカリマンタン島というところに目をつけた。
この島こそ、いわゆるボルネオなのである。
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