カリマンタン/目的地
カリマンタンに出発する日は刻一刻と迫ってくる。
忘れてしまった人もいるだろうから、あらためて説明をすると、カリマンタンというのはインドネシア領のボルネオ島のことである。
かってゴーギャンという画家が文明に愛想をつかしてタヒチを目指したように、現代日本で、先端文明と周囲とのしがらみに疲弊したわたしは、トカゲやヘビや、わけのわからない虫がうようよのボルネオを目指すのである。
でも現在の地球上に、ゴーギャンが目指したような、近代社会から隔絶した、ほんとうの意味での原始のままの理想郷なんてありそうにない。
できるだけ日本人が行ったことのない場所をめざすつもりで、目的地にカリマンタン島のバンジャルマシンという小さな街を選んだつもりが、ネットで調べるともう誰かが紀行記や口コミを書いていた。
いいかげんにせいよと、自分のことは棚に上げて日本人全般に文句をいいたくなる。
あらためて大航海時代の探検家がうらやましい。
貪欲なヨーロッパの船乗りたちにとって、アジアや大洋州、新世界は、すべてがやらずぶったくりの処女地だったのだ。
でもいいやと思う。
いつかのこのブログで、えらい哲学者の意見を紹介したように、わたしは幻想を求めてカリマンタンに行くのである。
ホテルの一室で妄想をたくましうすれば、乱立する高層ビルも天然の岩山に見える。
わたしってそういう頭の中のでっちあげは得意なのよね。
バンジャルマシンという街は、カリマンタン島のいちばん南のほうにあって、グーグルの地図と衛星写真を駆使してみると、バリト川という大きな川に面した街である。
大きな建物は数えるほどしかないようで、街の画像というとベトナムのメコンデルタにあるような水上集落、水上マーケットのものが多い。
ここに載せた写真はネットで見つけたものだけど、ナショナル・ジオグラフィックで採用されてもおかしくないみごとな写真だ。
何年かまえに、出発直前のアクシデントでベトナムへ行きそこなったわたしは、水上マーケットというものをぜひ見たいと思っていた。
ところが、出かけるのはまだ先だというのにもうトラブル発生だ(詳細は次回)。
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