中国の漫画と新聞
小石川後楽園のすぐとなりに日中友好会館がある。
そこで中国人漫画家たちの個展が開かれているというので、じつは昨日の日曜日は、後楽園のほうはおまけのつもりで出かけたのである。
この個展ではおもにひとコマ形式の時事漫画が多かった。
ただウチの新聞に載っている山田紳さんの絵あたりに比べると、まだまだひと目でニンマリするほどの強力なエスプリが足りないような気がした。
エスプリを効かせすぎると逮捕されかねない国の漫画家としては、これが精一杯かもしれないけど。
ここに載せたのはパンフレットからの転載で、並ぶ順番がちがうでしょというキャプションつき。
中国のひとりっ子政策を皮肉ったものだそうだ。
会場に 「現代中国報」 という新聞が置かれていたので、その一部をもらってきた。
すべて中国語なので、てっきり中国から直輸入の新聞かと思ったけど、比率からするとやけに日本に関する記事が多い。
よくよく見たら、発行もとの在所が池袋になっていたからから、日本で発行されている中国人のための新聞らしかった。
漢字ばかりの紙面をじっとながめていると、いろいろおもしろいことがわかる。
家電量販店のラオックスが、新宿に大型の免税店を開いたという記事が大きな扱いになっていて、開店のセレモニーに中国女優の林志玲さんがかつぎだされたという写真つき記事。
この女優は 「レッドクリフ」 に出ていたリン・チーリンさんという美人のことだけど、中国の新聞では原則としてカタカナ表記はしない。
しかしラオックスという企業名は漢字表記ができなかったらしく、英語のままの表記になっていた。
普京で “欧盟団結” がどうのこうのという記事もある。
欧盟団結というのはEUかNATOのことらしいから、てっきり普京というところでなにか会議でもあったのかと思った。
しかしこの記事でどかんと掲げられているのはロシアのプーチン大統領の写真だから、そうか、“普京” ってのはプーチンの漢字表記かと思い当たった。
意大利米蘭でなにか催し物があって、モデルみたいな中国美人が大量に動員されている写真もあった。
意大利がイタリアであることはわかる。
じゃ米蘭 (蘭は簡体字) というのはどこだと考えて、ミラノのことかと思い当たる。
まるで判じ物だけど、こうやって推理しながら読むとなかなかおもしろい。
総じてまじめな記事が多く、韓国のMERS (また英語表記) や、PKO隊員が支援物資の見返りに、現地の女性200余名と関係を持ったなんて記事も。
これなんかいまふうの慰安婦問題だな。
むかしのわたしは中国熱が高じて、中国語もすこしかじったことがあるんだけど、それもだいぶ錆びついたようだ。
ある場所になんとかいう美容院の広告があって、わざわざ 「日本人経営」 とことわってあった。
日本人もまだまだ捨てたもんじゃないらしいから、わたしがもっと若けりゃもういちど勉強したっていいんだけどねえ。
そしたら井上純一サンみたく、中国人の嫁さんもらって、それをネタにマンガ描けるかも。
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