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2015年7月30日 (木)

カリマンタン/ロクバインタンの1

123a

最初に出かけた水上マーケットが期待はずれだったのは、目的地が違っていたのだった。
マーケットの規模が大きいのはマルタプラ川の上流にあるロクバインタンという市場なんだけど、説明不足で、バリト川の途中にある別のマーケットに連れていかれたらしい。

そこで翌日、長髪クンにアレンジをしてもらい、今度こそはちゃんと目的地の名前をいって、2度目の水上マーケットに出発した。
やはり早朝5時の出発で、ここまでおよそ10キロ、1時間ほどの船旅だ。
今度はせいぜい7、8人しか乗れそうもない小さな船で、同乗したのは船頭と長髪クンのみ。
ただ、この日はベルホテルのまえの桟橋から、べつの船で欧米人のカップルも出発していった。

もう2度目だけど、水上マーケットへのクルーズは、これだけで今回の旅のモトを取ったというくらい素敵なものである。
はきだめ運河や、前日のクルーズとちがって、今回は初めから最後まで、川幅の広いマルタプラ川を往復するのだ。

最初のうちは両岸に、まだ明けやらぬ水上の民家を見ながら行き、ときおりモスクがあらわれ、お祈りをする人たちが見えるあたりは前回といっしょ。
やがてそれが途切れると、岸辺にジャングルが黒いシルエットになって浮かびあがり、そのシルエットの上に、ひときわ背いの高いヤシの木がいくつもそびえている。
空には極上の満月で、月明かりの水面を、根なし草のホテイアオイがいくつも流れていく。
ときおり前方から小さな小舟があらわれて、軽い会釈をみせたあと、また後方に消えてゆく。
聞こえるのは、たんたんたんたんという単調な船のエンジン音のみ。
これではつい夢見心地になってしまう。
若いころ聴いたドアーズのナンバーが自然によみがえってきた。

おお、アラバマの月よ
おれにつぎの酒場を教えてくれ
酒場が見つからなきゃ
おれたちは死んでしまうしかない

123c

いくらなんでも感傷的すぎるという人がいるかもしれない。
しかし英語もインドネシア語もわからないから、長髪クンや船頭と会話をするわけにもいかず、ほかになにをどうしろっていうのか。
月夜の航海でこういう状況におかれて、感傷的にならない人がいるだろうか。

やがて東の空が白んできた。

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