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2015年7月19日 (日)

カリマンタン/はきだめ運河の1

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長髪のガイド君が運河のクルーズに行きませんかという。
カリマンタンの運河クルーズといえば、密林のあいだに流れる大河を、両岸の野生動植物をながめながら、船ですべるように進んでいく、そんな光景を想像してしまう。
いいねえと返事をする。
水上マーケットの見物も船で行くのだからクルーズの一環といえなくないし、わたしにとって運河のクルーズというのは、このカリマンタン訪問の究極の目的だったのだ。

ようやく旅行バッグが届いた日の翌日、ホテルで水上マーケットの見物を予約しているところへ、長髪クンが押しかけてきた。
なんでボクにまかせてくれないんですかと不満顔である。
べつに彼にまかせることに異論はないんだけど、前日はまだ荷物が届いてなかったし、この日はわざわざこちらから連絡する気にもなれなかったので、ついホテルで申し込んでしまったのである。

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そのかわりに彼におまかせしたのが、彼のいう運河クルーズというわけだ。
でもそんな簡単に密林に行けるのか。
そのへんがちと気になったけど、深く追求するほどわたしは英語に詳しくない。

彼はさっそく船を手配してしまった。
船というか舟というか、微妙なところだけど、エンジンと船頭ひとりつきの小船がやってきた。
運河クルーズも水上マーケットの船も、ホテルのまえの桟橋から乗れる。
乗客はわたしと長髪クンのみ。
まあ、あんまり俗物といっしょにされるよりはいいかもしれない。

カリマンタンにいるあいだに中間報告をしておいたけど、じつはこれは想像を絶する悲惨なクルーズであった。
あんまり書きたくないけど、わたしの轍を踏む人が出ないように、わたしはあえてその顛末を報告するものである。
気のよわい人は、今回と次回だけはこのブログを読み飛ばしたほうがいいかもしれない。

バンジャルマシンは運河の街でもあるけど、マルタプラ川をすこし走ったあと、船はたちまちそのへんの細い水路に分け入った。
細い水路である。
手をのばせば、両岸の民家に手が届きそう。
とちゅうにはいくつも橋があり、船はそういう橋の下をすれすれにくぐり抜けていく。
そのたびにわたしは亀の子みたいに首をひっこめるのである。

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この運河は文字通り生活廃水路で、水はこれ以上ないくらい茶色に濁り、ゴミが浮かび、異臭がただよっていた。
異臭がただようのももっともだ。
7番めの写真に、民家から張り出した掘っ建て小屋みたいなものが写っているけど、お察しのようにこれはトイレである。
水洗じゃなさそう。
タンク貯蔵式でもなさそう。
船はそんなトイレのわきをかすめて行くのである。

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仮にこれを 「はきだめ運河クルーズ」 と名付けよう。
写真が多いので2回に分けて報告するけど、後半も見よとはいいませんヨ。
あまりも不潔な光景はこの晩の夢にも出てきて、夜中にうなされたワ。

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