カリマンタン/ロクバインタンの2a
空がしらじらとしてきて、やがて東の空がビンク色に染まってきた。
まわりに小舟の数が増えてくる。
とうとうまわりが小舟ばかりという、水上マーケットの現場に到着した。
わたしが今回の旅で見たかったロクバインタンである。
集まっていたのは手漕ぎの舟ばかりで、漕いでいるのはほとんどが、中年以上の女性である。
彼女たちはみんな近郊の農村のおかみさんたちだそうだ。
中には水が漏るらしく、水を汲み出しながらやってくる舟もある。
大変だなあと思うと同時に、インドネシアの婦人は働き者だなあと考える。
おばさんたちの中には、黒くなるのがイヤなのか、顔を日焼け止めクリームでまっ白に塗りたくって、ゾンビみたいな顔になったのがいる。
太陽が遠慮なく照りつけるインドネシアでもそうなのかと、複雑な女性心理について考えて、正直おかしかった。
舟の中にバナナやマンゴーや柑橘類などの果物、生きたままの魚、コメや自家製の菓子まで、さまざまなものが積まれていた。
小舟のあいだに男が乗った、いくらか大きめの船が混じっていて、これは市場に買い出しにきたバイヤーだそうだ。
観光客がわたしのほかに2組ほど。
ひとつはわたしのホテル前から前後していた欧米人のカップル、もうひと組は大型の船に乗った20人くらいの団体で、小舟を背景にワイワイキャアキャアいいながら写真を撮り合っていた。
こういうのは中国人ではないか。
わたしみたいに学術的探究心にもえた旅人とはちがうようだ、なんちゃって。
観光客はこれだけだったから、混雑のキライなわたしには、そのほどほどさが快適。
小舟のひとつが近くにやってきて、愛想のいいおかみさんが、手作りらしいお菓子を買わないかという。
長髪クンが受け取ってしまったから、遠路はるばるの日本人にサービスかと思ったら、ちゃんと料金を請求された。
ま、文句をいうほどの値段じゃないし、まだ朝食をとってないから、ありがたく頂いておいた。
この日はちゃんとお金を持っていたからよかった。
前日はお金を持たずにホテルを飛び出してしまい、指をくわえているしかなかったのだ。
水上マーケットについては写真をずらずら並べる。
ネット上にはナショナル・ジオグラフィック級の写真も見つかるから、わたしも挑戦的気分で。
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