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2015年8月 4日 (火)

カリマンタン/ビール

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あまり真剣に考えてなかったけど、バンジャルマシンはカリマンタン島にある街で、カリマンタンはボルネオ島のインドネシア領のことである。
インドネシアは世界最大のイスラム教徒をかかえる国だ。
そしてイスラムでは酒が厳禁である。
デパートに行ってもコンビニに行っても酒はない。
ないといったら、ほんとにない。
土日の晩はわたしの泊まっているホテルで盛大にパーティをしていたけど、それもぜんぜん酒のないパーティらしい(それでも派手に盛り上がっていたからフシギ)。

うーむ。
そんなことが許されるのだろうか。
そんなことが信じられるだろうか。
なんの1週間ぐらい、酒なんざ飲まなくったって平気を豪語していたわたしだけど、昼間暑い中を歩きまわっているもんだから、4日目にとうとうギブアップ。
冷たいビールが頭の中をぐるぐるまわっちゃって。

フロントでさりげない顔をよそおって、ホテルのレストランにはビール置いてないよねと訊く。
フロントの女の人、これはなんというか、和服の似合いそうなしっとりとした美人が、うふふと意味ありげに微笑んで、あたりをはばかるように小さな声でアリマスという。
そうですか、それではひとつお願いしますかなと、内心では飛び上がりそうな気分をじっと抑えつけて、わたしも冷静に。

レストランでおおっぴらに飲ませるわけにはいかないから、部屋で飲んでほしいという。
もちろん需要と供給という資本主義の原理にしたがって、値段は高い。
写真のボトル1本が日本円で約1000円だ。
しかしこのさい、値段についてごたごたいう飲ん兵衛はまずいないだろう。
部屋でこっそり飲むビンタンビールは、わたしがこれまでに飲んだいかなるビールよりも美味しかったのだから。

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ボトルのまま布でくるんで持ってきたのは最初のときだけ。
2回目からは写真のように、ティーポットに入れられていた。
ちゃんと冷えてたからなんでもいいけど。

もちろんバリ島のような国際的な観光地では、酒はいくらでも飲めるし、たぶんジャカルタのような大都市でも外国人はかなり自由ではないか。
酒が飲めないなんてと、カリマンタン訪問に乗り気でない人にいっとくけど、窮すれば通ず、案ずるより産むがやすし、心配は無用なのである。

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