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2016年1月17日 (日)

不安

寒い夜にひとりで部屋でイッパイやっていると、沖縄に移住した知り合いが気になる。
いまごろいったいなにをしてるのやら。
やはり部屋でひとりで呑んでいるんだろうか。

彼が移住したのはわたしのずけずけいう性格が原因かと思ったけど、親類知人からも縁を切って、世捨て人のように飛び出したというから、はたからうかがい知れぬもっと複雑な事情があったようだ。
ただ幸運なことに、そうしたことが可能なくらい、彼は資産的には恵まれた人間だった。
わたしも沖縄に永住したいけど、先立つものがないのである。

彼は一見陽気な人間だったけど、わたしの見たところでは、それに反する屈折した性格をかかえていた。
人間はおもしろいと同時に悲しい生きものだ。
相手の弱みをずけずけ突くくせに、一方でわたしは悲しい部分につくづく同情する。
わたし自身も二面性をもった悲しい生きものなのである。

屈折してるほうじゃ負けてないけど、旅行したり、写真を撮ったり、ブログやフェイスブックでそれを公開したり、ひとりでいてもわたしはヒマつぶしに苦労しない。
しかも人間ギライのくせに、月にいちどくらい呑む相手にも不自由はしない。
かってはこの知り合いもそうした呑み仲間のひとりだったのである。

沖縄に永住した彼の趣味は写真だった。
それならやるべきことはいっぱいあるはずだ。
東京に住んでいるわたしたちからすれば、沖縄の生活そのものがめずらしいものなのだから、沖縄の風俗や生きものの生態を記録することは、貴重な仕事になる可能性だってある。
やりがいのある人生を求めるには、彼のほうがわたしより、よほど有利な位置にいるのである。

それなのに彼がなにか活動をしているという話がまったく伝わってこない。
いったい何をしているのだろう。
どうして日記のようなものをつけて、それをブログやフェイスブックで発表してくれないのだろう。
わたしと同じように、自由できままな独居生活に安堵感のようなものを感じて、それにどっぷりと埋没してしまったのだろうか。
孤独に苦しんでいないだろうか。
いまのわたしは、グラスを置いて、不安が的中してないことを祈るばかりだ。

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