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2016年1月15日 (金)

墓参

母親の一周忌に帰省して墓参りに行ってきたことはもう書いた。
神さまやあの世を信じてないバチ当たりのわたしが、なんで墓参りなんて殊勝な気持ちになったのか。
そのへんが矛盾してるけど、世間から情け知らずと思われたくないし、会えるものならもういちど母親に会いたいという気持ちもある。
それで今回だけは人並みなことをしておこうと、どっちにしたってそんなにいつまで墓参りを続けられるトシじゃないのだから、むなしいことは百も承知で、自分をなぐさめるために行ったようなものだ。

形式的に花を捧げ、墓石のまえに立ってぼんやりと考える。
この墓石の下の暗闇の中に、骨壷に入った白い骨が収まっており、それがわたし、つまり身長が1メートル70センチほどのわたしの肉体を、この世におくり出したおおもとなのだ。
その骨にしみこんだ劣等感は、たぶんわたしの骨にも受け継がれている。
わたしの人生を考えると、余計なことをしてくれた、生まれなければこんなに悩むこともなかったのにと、恨みがましく思ってしまうこともある。
でもそれは母親の責任じゃない。

どうも申し訳ありませんでした、許して下さいと腹の中でつぶやく。
すでに存在の失われたことを確信しているくせに、わたしはいったい誰に向かって謝ったのだろう。

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