湯沢温泉/ホテルH
ホテルの外観はクチコミ通りだった。
貧乏旅行のファンでなかったら、尻尾をまいて逃げ出したくなるようなボロっちい建物だ。
でも、わたしはそれをおもしろがってしまう旅人である。
ホテルのドアを開けて、誰もいないフロントをうかがっていると、べつの方向から元気のいいお姉さん (おばさん?)が飛び出してきた。
現金先払いで、朝食のみの2泊料金が1万6千円。
建物のわりには高そうな気もするけど、ホテル内のあちこちに石油ストーブが設置されている。
雪国の宿は光熱費がかさむのだ。
もちろん芸者を呼ぶ予定はないし、これでは呼んでも来てくれないかもしれない。
宿泊しているあいだに 「雪国」 を読破してやろうと、新潮版の文庫本を持ってきた。
同じ本が部屋にも置いてあった。
西洋のホテルには聖書が置いてあるけど、湯沢のホテルでは「雪国」が標準装備である。
でも最近の若いスキー客はこんなの読まないだろうな。
この本は男の願望を満たす本だなとつくづく思う。
物語の中に葉子というもうひとりの娘が登場するんだけど、こちらも駒子さんにひけをとらないくらい魅力的なのだ。
この葉子という娘と駒子の関係がどういうものか、最初のうちはわからない。
最後まで読めばわかるだろうと思ったら、最後までわからなかった。
ま、それはさておいて。
最後の写真はわたしの部屋を撮ったものだけど、撮り方がヘタだから、すごく豪華な部屋に見えてしまう。
ありのままを写すのは、しろうとにはなかなかむずかしい。
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