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2016年2月13日 (土)

癒し系列車

647

「関口知宏のヨーロッパ鉄道の旅」 というテレビ番組を観た。
先週はなんとかいうタレントさんの紀行番組と、関口クンの番組が連続したけど、なんとかさんのほうは、服装もお洒落だし、顔つきもまじめ一方、無理やり問題を提起しているみたいで、あまりおもしろくなかったけど、関口クンが出てくると、もうぶっちゃけ、だらしない服装に、起きたばかりみたいな髪型で、こちらはとてもおもしろかった。

そんなことはさておいて、今夜の番組ではチェコの鉄道が紹介されていた。
関口クンが駅、といってもホームもないようなローカル駅で列車を待っていると、やってきた列車が彼のまえを素通り。
おーいと叫ぶと、バックしてもどってきて、車掌が、いやあ、乗るとは思わなかったもんでという。
日ごろ脅迫的に正確な日本の鉄道に慣れている当方としては、こういう鉄道を見るとホッとする。

わたしも似たような体験があるのでお話しよう。
外国の話ではなく、れっきとした日本の鉄道の話である。
鉄道の名前を出すのは気がひけたけど、もう15年以上まえの話だからいいだろう。

むかし花巻市から遠野まで岩手軽便鉄道 (宮沢賢治の詩にならったけど、こういう名称の鉄道はいまはない) に乗って旅をした。
花巻で切符を買ってホームへ入り、改札の駅員に遠野行きは何時ですかと訊いたら、駅員は血相を変えて発車寸前の列車に飛びつき、おい、待て、あとひとり客がいる!
のほほんとしていたわたしは彼の機転で列車に間に合ったというわけだ。
いや、話というのはこれじゃない。

ローカル線だからのんびりした列車なんだけど、これがある駅を通過したあと、なんでもない田んぼのまん中で停車してしまった。
わたしは前方の景色が見たくて、いちばんまえの、運転席のすぐ後ろに立っていたんだけど、車掌が駅と電話で話しているのが聞こえた。
どうやら停車すべき駅を通り過ぎてしまったらしい。
まもなく車内放送があって、すみません、つぎの駅にタクシーを手配しましたので乗り換えてくださいとのこと。

わたしはもちろん怒らないし、乗客もみんな仕様がねえなあと苦笑しただけで済んだようだ。
東北の人がおおらかなことがよくわかったし、癒し系の列車というのはこういうのをいうのだろう。
みんながみんながのんびりしていた、昭和前期の列車がなつかしい。

添付した写真は北上川の河岸。
この近くに〝イギリス海岸〟もあるから、宮沢賢治も見た景色かも知れない。

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