ホタルイカ
自称ナチュラリストとしては、この世界のさまざまな森羅万象に興味がある。
3月から5月にかけて、富山湾でホタルイカの饗宴が見られるというので、今度はそれを見にいくことにした。
なんでも夜光虫のように蛍光を発する、人間の指ていどの小さなイカが、産卵のために海岸を埋めつくし、それはそれは幻想的な光景をかもしだすのだそうだ。
こんな超自然現象を、わたしひとりで独占するのはモッタイナイ。
で、自分からはけっして旅行に出かけず、いつも不遇な生活をしている知り合いを誘ってみたら、わたしがみつくろった費用が高いから行かないという。
費用は3泊4日で10万円だ。
こりゃ高い。
妻帯者、家族持ちにはおいそれと行ける値段じゃない。
でもわたしが誘った相手は、独身で、大金持ちとうわさのある、そう、このブログにときどき登場する、いっしょにハワイに行って、ダイヤモンドヘッドにも登ったことのあるO君なんだけど。
10万円は高いけど、このうちの半分ちかくは、富山の味覚や酒を味わうための費用だ。
今回も費用節約のために、片道は高速バス(5千円)で、宿もネットでいろいろ調べて、展望風呂つきで、1泊が6千円ていどのホテルを見つけたのだ。
安い代わりに食事はいっさいつかない。
でも、目の前が富山湾だぞ。
あふれるような日本海の珍味にかこまれて、宿屋のあてがいメシに満足する人の気がしれない。
宿なんか寝るだけでいい。
そのぶんレストランで外食をして、ホタルイカの醤油づけ、塩辛や、ます寿司、氷見の寒ブリ、刺身、シロエビ、越前ガニ(ズワイガニ)など、富山の名物をたらふく食べ、満寿泉、勝駒、銀嶺立山などの酒を味わわってくるつもりだ。
かわいそうなのはO君で、座して待つだけでは、彼の人生にこんな幸運はけっして訪れないだろう。
読んでるんかね、えっ、O君、このブログ。
あ、もちろんホタルイカも見物して、写真に収めてくるつもりだけど、これがちとむずかしそう。
相手は生きものだから、都合よく出現してくれるかどうかも運まかせだし、漁船に乗って夜の海の上で、ホタルていどの微量な光を撮ろうというんだから。
確実なのは食べるほうだけになるかもしれない。
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