富山湾/城と駅
部屋に荷物を放り出して、さっそく市内見物に出かけてみた。
まず到着したときに見たお城に行ってみた。
マンテンホテルから城までは、サクラ並木のある堀づたいに行けばよい。
堀のふちに遊歩道が作られていて、この時期はサクラ見物をしている市民や学生アベックなどが多く、箱型の遊覧船もたくさんの観光客を乗せて堀を上下していた。
近くまで行ってみて、なんだか中途半端な城だなと思った。
立派な天守閣を備えているけど、建物はま新しい感じがして、石垣が本物らしくない。
一部に古い石垣が残っているみたいだけど、石垣を構成する岩が新旧まだらになっていて、コンクリートのかたまりを割って造った、人工の岩みたいなところもある。
屋根の瓦にかっての城主の紋章が刻まれていて、それは加賀前田藩の梅鉢紋だったから、城と前田氏の関係もわかりそうである。
夜になってからウィキペディアで調べたところによると、城の建物は明治時代に焼失、あるいは解体され、1954年に鉄筋コンクリートで再建されたものだそうだ。
54年というと、まだ戦後の焼け跡からようやく復興が始まったころでしょ。
そんなに古いようには見えないけどな。
現在は郷土博物館や美術館のある近代的な公園になっているから、遺跡としての価値はあまりありそうにない。
地下には駐車場まであるのだ。
むかしの城にそんなもんあったか。
城からこんどは富山駅に行ってみた。
北陸新幹線が開通して、駅舎もたいそう立派になったようだ。
越後湯沢のように現地の産物をまとめて見られる、規模の大きい駅中ショッピングモールがあるかと期待したけど、もうすこしこじんまりしたものしかなかった。
もっともこの街には駅のとなりに大きなデパートがある。
スターバックスもある。
おもしろいのは路面電車の軌道が駅舎のなかにまで引き込まれ、駅のなかに始発駅があることだった。
近くでながめていると、ひっきりなしに路面電車が出入りしている。
もともとどっちが前だかわからない乗り物なので、頭から入っていった電車は、なかでスイッチバックをして、お尻から出てくる。
都電が廃止されて(1本だけ残っている)ひさしい東京都民のわたしには、めずらしくも楽しい光景だった。
あとで用事もないのに乗ってみたから、乗り心地こはそのときに。
北陸新幹線と路面電車以外に、富山駅は「あいの風とやま鉄道線」と「高山本線」のふたつの鉄道の駅になっている。
わたしはべつに鉄道ファンじゃないけど、これもあとで両方に乗ってみたから、どんなものかはそのときに。
この日は駅で立ち食いソバを食べてホテルにもどることにした。
「立山そば」という店で、ソバは汁が透明だった。
味的には変わらないけど、そうか、ここは関西圏なんだなと思う。
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