富山湾/道の駅
翌日は朝から風雨が激しかった。
雨や風をおしてまでホタルイカが出没するとは思えなかったし、それがほんとうにまれな現象であることもわかった。
で、この日はもう夜中に様子を見にいくのはやめにして、レンタカーも返してしまうことにした。
しかしレンタカーは24時間借りてあるので、この日の午後3時まではわたしに所有権がある。
それまでどこか見物に行くところはないかと考えた。
もちろん朝早く起きて、能登半島を一周してくることも可能かもしれない。
しかし朝早く起きるのも、ひとりで車を運転するのも大キライだから、さっさとあきらめて、ひとつ新湊という、富山市のとなりの街にある道の駅に行ってみることにした。
ここなら車でせいぜい1時間もかからないだろうし、わたしは郷土の物産というものに興味があって、どこへ行ってもかならず市場に寄る人間なのだ。
道の駅というのは、その土地の特産物を扱っている場合が多いのである。
新湊という街はぜんぜん知らないから、これはおもしろいかも。
カーナビに案内させて「カモンパーク新湊」という道の駅に向かう。
神通川を渡ったところに、山すそを切り開いた公園があったくらいで、それを過ぎると、畑をつぶした広い道路の両側に、車のディーラーや郊外型のパチンコ屋などを並べた、およそおもしろくない景色が続く。
大きな交差点のわきにある道の駅に着いたのが10時すこし過ぎ。
店舗の規模は期待していたほど大きくなかった。
地方でよく見る道の駅というより、雰囲気的には街道ぞいにある、トラック運転手相手のドライブインといった感じ。
それでも干物や真空パックの海産物、名産の漬物、菓子類などが並んでいたから、帰京してから酒のつまみになりそうな土産ものを買っておいた。
この朝は寝過ごしてホテルで朝食を取ってなかったから、ここの食堂でシロエビうどんを食っていくことにした。
かき揚げのシロエビが乗ったうどんだけど、これも富山湾の名物なんだそうだ。
でも、べつに美味いとかマズイとかいうようなものではなし、どこかカッパエビセンみたいな味だった。
富山の名物を食べたという満足感もぜんぜんなし。
まだ時間が早いので、寄り道をしながら、海岸づたいに富山市にもどることにした。
なにかきれいな景色でも見られるかと期待したんだけど、このあたりの海岸は工場地帯だし、予備知識もないから、ほとんど見るべきものはなかった。
| 固定リンク | 0
コメント