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2016年5月10日 (火)

映画音楽

2、3日まえのの新聞に、最近の映画音楽は控え目なんて記事があった。
そういわれてみると、映画音楽でスタンダードになった曲は、最近とんと聞かないねえ。
むかしはそうじゃなかった。
「世界残酷物語」のテーマだとか、「黒いオルフェ」「いそしぎ」「ひまわり」「サンライズ・サンセット」「ジャニー・ギター 」「カサブランカ」「巴里の空の下セーヌは流れる」など、映画音楽がもとになった後世に残る名曲を、映画好きのわたしはいくらでも挙げることができる。
映画音楽の役割が変わってきたと言われればそうかもしれないけど、その黄金期を知る者にとっては寂しいかぎりだ。

ヘンリー・マンシーニの音楽もそうだったよな。
「ムーンリバー」「酒とバラの日々」「シャレード」なんか、映画と切り離しても通用する名曲、といいたいけど、じつはこの3曲はほんとうに映画と切り離したほうがいいかもしれない。
いずれも、単独で聴いても美しい曲ばかりなんだけど、はたしてそれが使われた映画の内容にマッチしているかというと、ちと疑問。

「ムーンリバー」は、オードリー・ヘプバーン主演の「ティファニーで朝食を」の主題歌。
カポーティの原作とかけ離れた、ちょっとおしゃれでふざけた映画で、その内容からすればもうすこしコミカルな要素を持った、ポップな音楽のほうがふさわしかったような気がする。
英語の不得意なわたしには歌詞の意味までわからないから、歌詞自体は内容にふさわしいのかもしれないけど、メロディがいくらなんでもキレイすぎ。

「シャレード」もオードリー主演の、こちらはおしゃれを加味したミステリーである。
わたしはこの主題歌が好きで、いまでもしょっちゅう聴いているけど、これほど耽美的で妖しい(怪しい、ではない)曲がミステリーにふさわしいだろうか。
もっともマンシーニはミステリーにふさわしい別バージョンも作っていて(タイトルバックに流れるやつ)、残念ながらそちらだけでは後世に残る名曲になったかどうかわからない。

「酒とバラ」は一転して深刻な社会派映画だ。
アルコールで身を持ちくずす夫婦の物語なのだ。
でもこんな美しい曲を流したら、禁酒協会の努力も水の泡ではないか。
「黄金の腕」という社会派映画では、オーケストラによるジャズが使われたけど、そっちのほうがいろいろな意味で社会派映画にふさわしかった。

とはいうものの、ヘンリー・マンシーニの音楽がステキであることはいうまでもない。
わたしはこれらの曲を聴くとき、映画のことは忘れるようにしているのである。

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