ジミヘン
じわじわと人生の秋を感じ始めたころは、どんな音楽を聴くべきか。
バッハのマタイ受難曲なんてのは、荘厳であってもぜんぜんふさわしくない。
あれは聴くという目的のために存在する音楽であって、わたしの人生に影響を与えた音楽とはいいかねる。
そういう観点からすると、わたしの場合は、若いころ聴いて感動した音楽ということになる。
というと、これはロックということになってしまう。
ロックが終活中の人間にふさわしいかどうか、議論のあるところだけど、それに感動し、道を踏みはずす人間もたまにいるのだ。
ロックに入れこまなければ、わたしだって人なみに結婚し、人なみにつまらない人生を送っていたかもしれない。
そういうわけで、目下のところはジミ・ヘンドリックスばかり聴いているんだけど、あまり聴きすぎるとそのうち飽きる。
飽きたらべつの曲に乗り換え、しばらくすると、そのころにはほんとうに人生の終わりにさしかかっているだろうけど、きっとまたジミヘンの音楽が聴きたくなるに決まっている。
こういう気持ちは誰にでも共通するわけではないから、他人に同じ曲をお薦めはしない。
でもあの世への道連れになる音楽を持っている人は幸せだと思う。
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