タイ/参考文献
貧乏旅行で有名な紀行作家の下川裕治さんは、タイに親近感を持っているらしく、この国に関する著書が多い。
わたしは貧乏旅行をするつもりがないけど、いろいろ参考になりそうだから、彼の本の何冊かを出発まえに読んでおくことにした。
そういうわけで、図書館で借りてきた本の第二弾は、「12万円で世界を歩く」と「新バンコク探検」という本。
「12万円で」のほうは週刊朝日に連載中に読んだもので、そうとうむかしだったよなとあとがきを確認してみたら、もう30年ちかく前だった。
「新バンコク」のほうは1998年発行だから、こちらも20年ちかく前のものである。
当然ながら内容は現代の旅にあまり参考にならない。
たとえば、わたしは10年前にバンコクへ出かけているんだけど、観光バスで市内をめぐって、そんなにひどい渋滞に遭った記憶がない。
ところが下川さんの本によると、バンコク市内の渋滞はおそるべきものだそうで、わたしが過去に行った経験がなかったら、これだけでタイ旅行を断念していたところだ。
彼の本には、バンコク市内にはまだ地下鉄や高架電車が工事中とあるから、これが完成した現在は、劇的に渋滞が緩和されたのかもしれない。
「新バンコク」では交通機関の説明に、半分以上のページが費やされている。
でもわたしにはあまり参考になりそうもない。
いくらバンコクの路線バスの乗り方を詳しく教えてもらっても、せいぜい1週間ていどの旅行者であるわたしが、そんなものに乗るはずがないからだ。
あちらのタクシーはひじょうに安いので、おそらくわたしはどこへ行くにもタクシーを使うだろう(あるいはトゥクトゥクか)。
食事の説明にもかなりのページが費やされている。
タイの料理の特徴が香辛料の豊富さであることぐらいは知っているけど、これだって外国料理がニガテ手なわたしが美味しいと思うかどうか。
せいぜいそのうちに、吉祥寺のタイ料理店で予備知識でも仕入れておこう。
食べれば出るのも当然だ。
でもトイレについては、わたしも中国の辺境を旅した豪の者だから、それほど驚くようなものではないだろう。
それに、これも下川さんの時代とは一線を画しているはず。
バンコク市内には洋式の清潔なトイレが、あるいは日本のウォシュレットでさえ、もうかなり普及しているのではないか。
ウンコなんて、朝一回ホテルですませればいいだけだし。
そうなると「新バンコク」という本で役に立つ知識は、たとえばバンコクは世界の三大性都ということぐらい。
ホントかウソか、確かめてみたいのもこのへんだ。
わたしの知り合いの中には、若いころフィリピンに遊んで、わるい病気をもらったというのを自慢にしていた男がいた。
わたしは品行方正な(?)人間だし、もはやそんな元気はないから、せいぜい上っつらを眺めるくらいで終わるだろうけど。
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