タイ/ドロ縄的知識
タイについてのお勉強。
わたしは現在のタイについてはわりあいよく知ってるけど、その歴史になるとさっぱり。
だからまず現在のタイについて考え、それから過去にさかのぼってみることにする。
行き先国の歴史に通じてもあまりこれからの人生に役に立たないと思うけど、わたしはいつもドロ縄的に勉強するほうなのだ。
タイは日本と同じ立憲君主制の国で、現在の国王はラーマ九世のプミポン殿下。
日本と同じように国民のあつい信頼を得ており、国内でなにかゴタゴタが起こった場合、国王のツルのひと声で解決することもあるくらい。
ただし、その威厳にもいくらかかげりが出ているようで、最近ではもと首相のタクシン、その妹のインラック派と、実権をにぎる軍部がはげしく対立して、国内を二分する騒動になっている状況だ。
プミポン国王もよる年波だから、いつ崩御なんてことになるかわからず、ヘタするとわたしの旅行中にそんなことになって、大混乱の中でわたしも右往左往という可能性もないわけじゃない。
タイという国は第二次世界大戦前後の混乱の中でも、独立を保っためずらしい国である。
さらにそのあとベトナム戦争で、ラオスやカンボジアといった周辺国までがおおいに揉めたさいにも、この国だけはほとんど影響を受けなかった。
混乱の多い東南アジア諸国の中でもきわめて安定した国であり、同じ立憲君主国として日本の皇室とも仲がよい。
先ごろ井の頭自然文化園で死んだゾウのはな子は、親善施設として戦後すぐにタイからやってきたものだ。
わたしの歴史の知識は映画から来ているものが多いんだけど、そっち方面で忘れられないのが、名作「戦場にかける橋」で、これは第二次世界大戦当時の日本と英国の兵士を描いた、タイが舞台の映画である。
もう何度も観たことのある大作で、日本が登場するほかの映画に比べればマシかもしれないけど、イギリス人の視点が強すぎて、そのへんがちと気にくわない。
この橋がかかっているのが、タイ西部に源を発するクワイ川で、このあたりはいま有名な観光地になっているそうだ。
黒部峡谷のトロッコ列車みたいなのが走っているというから、行ってみたいけど、泰緬鉄道に郷愁を感じるトシでもないし、今回の日程では無理だな。
映画といえば、ミュージカル「王様と私」で、ユル・ブリンナーが、最近では渡辺謙が扮した坊主あたまの王様は、タイの王様ってことになっているらしい。
ただ、映画も舞台も観ていないので、王様がどんなふうに描かれているのかわからない。
なんでもアジアの王様と、その家庭教師として赴任した英国女性の話だというから、西洋と東洋のカルチャーギャップを描いたものらしく、ハリウッドの代表的スターが演じるくらいだから、まあ、いい役なんだろう。
どんどん過去にさかのぼってみる。
シャムと呼ばれたむかしから日本とも縁があって、ここで活躍した山田長政なんて人もいる。
経歴を調べてみると、国際版幡随院長兵衛さんかって気がするぐらいで、それ以上はとくに知りたいとも思わない。
吉祥寺にスコータイというタイ料理の店があるけど、これはいちばん古いタイ族の王朝の名前とされる。
スコータイ王朝の成立が1240年ごろで、これは日本の鎌倉時代、モンゴル帝国が日本に襲来する30年ぐらいまえといえば、歴史上のおおよその位置がわかるだろう。
その後もアユタヤー、トンブリー、そしてラーマ九世の先祖が興したチャクリーと、いくつかの王朝が興亡した(このへんはウィキペディアのまる写し)。
タイ族はもともと中国の少数民族だったという説もある。
でも民族の概念自体があやふやなので、わたし的にはそんなものどうでもいという立場。
わたしは以前タイに行ったとき、飛行機の中から夕陽にかがやく水田をながめた。
それはわたしの子供のころの日本の風景そのものだった。
タイといえばタイ米といわれるくらい、稲作国としても有名だ。
あの国には、日本人が失ったものがまだ残っているような気がする。
いまさらバイヤグラでもあるまいし、わたしはタイでそういうものを感じたい。
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