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2016年6月 5日 (日)

タイ/深夜特急

T003

タイで雨に降りこめられたさいに読んでいようと、また旅の道連れになりそうな本を物色している。
湯沢温泉では川端康成の「雪国」を、富山では高橋治の「風の盆恋歌」を持参したわたしだから、ここはとうぜん三島由紀夫の「暁の寺」になるところだ。
でもこの本は、以前のタイ旅行のさいに読んだ。
そしてつまらなかったことは、このブログの2011年1月5日に書いたことがある。

いろいろ物色したすえに、沢木耕太郎の「深夜特急2」という本に的をしぼった。
これは作家の旅行体験をもとにした、紀行記のような小説らしく、1巻から6巻まで文庫本が出ている。
この中にタイも出てくるから、これを読みながら旅をすれば、過去と現在のタイを比較しながら行くことになるではないか。

こういうわけで、昨日は図書館に行ってこの本があるかどうか確認してきた。
あるにはあったが、6巻以外は貸し出し中だった。
タイが出てくるのは2巻なのである。
でもとりあえず傾向を探るために、6巻を読んで見ることにした。
最初の30ページくらいを読んで思ったのは、これのどこが小説なのってコト。

「深夜特急6」は、主人公がイタリアのブリンディジという街からローマに、バスで移動しようとするシーンから始まる。
いまでもそうかは知らないけど(この旅は1970年代前半のもの)、当時のイタリアには長距離バスというものが存在しなかったそうである。
なにがなんでもバスで旅がしたい彼は、ローカルバスを乗り継いで行く決心をする。

ローカルバスだからいろんな人との出会いがある。
彼も知り合った若い娘から、宿が見つからなかったらうちに泊まればなんていわれている。
小説ならここで彼と彼女に愛情がめばえ、やがて2人は行きつくところまで行ってしまうはずなんだけど、バスの運転手が余計なお世話で割って入って、話はおじゃんになる。

このていどなら現実にもよくある話だ。
わたしも中国を旅しているとき、自転車のチェンがはずれて困っている娘に遭遇し、ほいほいと直してあげて感謝されたことがある。
でもアリガトウといわれただけで、このあとわたしたちが親密になることはぜんぜんなかった。
だから沢木さんの本も小説(フィクション)ではなく、作家の実体験にもとずいたノンフィクションといったほうがいい。

じつはわたしが読みたいのはノンフィクション、つまり純然たる紀行記なのである。
小説だと作為が目立ったり、作者のおもわくがからんだりして、皮肉屋のわたしには不満が蓄積することが多い。
だから小説ではない「深夜特急」はひじょうにおもしろかった(まだ30ページだけど)。
こうなったら1巻から6巻までぜんぶ持参して、タイのホテルでこれに読みふけっていようかと思う。
家にいたって出来ることを、外国でやることに意義を見出すのがわたしのブログなのだ。

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