タイ/ゲストハウス
一服したあと、またぶらぶらの開始だ。
疲れたらソンテウやトゥクトゥクで帰る手もあったけど、わたしはまだ歩けそうだった。
この日はまだ昼食を食べてないし、そのためにあらかじめ目星をつけておいた「ごはん屋」という日本食レストランに行かなければならない。
方角だけはなんとなく見当がつくから、とりあえずその方向へ、住宅街の中を歩き出す。
ここに載せた地図は、ワローロット市場からごはん屋まで、わたしが歩いたおおざっぱなコース。
距離は1キロもないけど、じっさいには路地に迷い込んだり、寄り道をしたりしているから、もっと長く感じた。
この地図でみると、ワローロット市場から、チェンマイの旧市街地を取り囲む堀にかけて、わたしが歩いたところは空白地帯になっている。
田んぼでもあるのかと思ったら、じつは閑静な住宅街だった。
建物のあいだを、曲がりくねった道路が通じている。
そんなところを、家々をのぞきながらぶらぶら歩く。
住宅の中には、生垣にかこまれた瀟洒な家もある。
庭に南国の花が咲き乱れ、緑の芝生に樹木が影を落としている。
植民地時代の宗主国の役人の屋敷がこんな感じだったんだろうなあと思う。
そしてあちこちでゲストハウスの看板を目にした。
ゲストハウスというのは、日本でいうところの民宿のことかと思ったら、それよりもサービスの劣る、簡易宿泊所といったほうがふさわしい宿のことだそうだ。
つまり食事もなし、キッチンやトイレは共同でという具合に、徹底して料金を抑え、ベッドがあればなんだっていいやというバックパッカーなどに愛用されている宿だそうだ。
そういえばいかにもそれらしい欧米人の若者が、庭のテラスで地図をにらんでいたりする。
安いといってもけっして不潔そうではないし、こんなところに泊まっていれば、すぐに外国人の友人がたくさん出来るのではないか。
わたしが泊まっているホテルもわるくないけど、こんなゲストハウスに長期間くすぶっているのもわるくない。
辺ぴなところと思われるかもしれないけど、レンタル自転車でも借りておけば、チェンマイのたいていの場所は不便ではない。
生垣ごしに、宿の庭で飲みものを飲んでいる娘たちを見ることもある。
ヘイ、カノジョーといって写真をパチリ。
まえにも書いたように、同じ旅をする者同士の親近感がある。
ネコを抱っこするお姉さんにも出会ったし、ドクターフィッシュを体験している家族にも出会った。
みんなにっこりして愛想がいいし、それに乗ずるわたしも図々しい。
やがて堀に出た。
小さな橋を渡って旧市街側へ。
ここまでくるともう閑静とはいえなくなり、トゥクトゥクの運転手が、ダンナどちらまでと話しかけてきたりする。
ごはん屋はどこだ。
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