タイ/ナイトマーケット
わたしは外国へ行くとき、できるかぎり土日を日程に入れることにしている。
お祭りやなにかのイベントは、たいてい土日に開催されることが多いからである。
もっともリオのカーニバルや、スペインの牛追いのように国際的に有名な祭りは、そもそも混雑がキライだから、ハナっから無視だ。
わたしのいうのは、村の鎮守のお祭りや、デパートの催しもの程度のささやかなイベントのことである。
この程度でも単調な旅の、ちょっとした変化にはなるものだ。
今回の旅でも金曜日出発で、土日はチェンマイにいるよう日程を組んだ。
日曜日はホテルの近所でナイトマーケットがある。
マーケットといっても、男のわたしは買い物をするわけでもないし、ワローロット市場のような実用的な市場に比べると、興味のランクは下がる。
でもホテルからほんの2、3分で行けるところだから、話のタネに見ておこうという気になったのである。
そういうわけで、ホテルにもどったあと、まだ明るかったけど、下見のつもりでぶらぶらと出かけた。
ナイトマーケットの開かれるのは、例のワット・プラシンの前からのびているラーチャダムヌーン通りで、ここが数百メートルにわたって歩行者天国になる。
行ってみたら準備たけなわ。
いろんいなものが売られているけど、正直、わたしの興味を引くものはあまりない。
以前のタイ旅行で見かけた昆虫の標本があった。
これはおおいに興味があるけど、終活中のわたしが買うわけにはいかない。
食用の昆虫も並べてあった。
イナゴや、水生昆虫のタイコウチ、ゲンゴロウ、そしてなんだかわからないイモムシみたいな幼虫など。
タイコウチやゲンゴロウなんて日本じゃ絶滅危惧種だぞ。
張り切って写真を撮ってから、撮影禁止という表示に気がついた。
マーケットを見て歩いているうちに、なにやらにぎやかなお囃子とともに、異様な風体のグループが会場を行進してきた。
どこかの新興宗教のメンバーらしいけど、鐘や太鼓を打ち鳴らし、歌か念仏なのかわからない言葉をとなえ、70年代のヒッピーがよみがえってきたような連中である。
考えてみればISとは対極にあるものの、そのイカレぶりは彼らに一歩もひけをとらないといったら怒られるだろうか。
はからずもタイで混迷する世界の一端をながめたような感じになった。
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