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2016年7月31日 (日)

タイ/マッサージ

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ナイトバザールの会場でも、街を歩いているときでも、あちこちでタイ式マッサージの店を目にした。
ちゃんと店舗をかまえた高級そうな店から、路上に椅子を並べたお気楽な店まで。
ただ予想とちがって、プーケットに見られたような、あからさまに性を売り物にしている店は多くないようだった。
ようだったというのは、そんなものばかり観察していたわけじゃないからだ。

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この日はいい気になって歩きすぎた。
腰にガックリときたので、ナイトマーケットを見物したあと、タイ式マッサージを体験することにした。
ポール・セローの本にもタイ式マッサージが出てきて、じつに気持ちよかったなんて書いてある。
べつに変なおもわくがあるわけでもないし、どこでもいいやと、あらかじめ目星をつけておいたホテルの近所の店に出かけた。
もう夜だし、必要ないだろうとカメラも持たずに手ぶらである。

「地球の歩き方」によると、わたしのホテルのすぐ近所に、犯罪を犯した女性たちの矯正施設があって、そこでも安くマッサージが受けられるらしい。
そこに興味があったけど、この時刻ではもうやっていなかった。

店の前まで行くと、中から若い娘が飛び出してきた。
ヒラリー・スワンクみたいな、きりりとした体育会系女子である。
これはもう逃げられないなと観念する。
1時間400バーツと、2時間700バーツのどっちにしますかと聞かれ、1時間のほうにしてもらう。

じっさいのマッサージをするのは30代半ばぐらいの、おばさんというかお姉さんというか、若い娘ではなかった。
わたしの好みはスワンクのほうだけど、べつにおかしなことをするわけじゃないんだから、どっちでもいいかと自分を納得させる。
スワンクはつまらなそうな顔をして、またつぎの客が来ないかとおもてを見張り始めた。

おばさんかお姉さんがよくわからない女性が、洗面器にお湯を入れて持ってきて、この中に足をつけろという。
本当はもっとやさしくいったのかもしれないけど、わたしにタイ語はわからない。
いわれたとおりに、しばらくその中に足をつける。
ほどあいを見計らって、こちらへどうぞと3階まで案内される。
客はわたしひとりだし、暗くて、あまり清潔そうでないベッドの置かれた、どこか卑猥な雰囲気の部屋である。
なんか勘違いしてんじゃないだろうなあと心配になってきた。

Tシャツと短パンを脱いでといわれる。
とうとうパンツひとつにされてベッドに横たわる。
いやらしいのはこのへんまでで、あとは太ももの付け根から指の先まで、揉んだりひねったり。
個室でそんなことをされても、もう暴発するほどわたしは若くないのだ。
でもまあ、気持ちはよかった。

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マッサージをされながらいろいろ考える。
わたしは他人の素性を推理するのが好きだけど、この場合、マッサージ師がわたしを推理したらどうなるだろう。
まずわかるのが、生っちょろい体つきからして、アスリートではないなということ。
わたしは他人から職業を尋ねられた場合、絵描きですとごまかすことにしているんだけど、指先にペンだこや筆染みができてないから、マッサージ師相手じゃバレてしまいそう。

彼女は煩悶する。
この男は何者だろう。
学者か、事務畑の国家公務員だろうか。
学者にしては頭はわるそうだし、国家公務員がTシャツに短パンとサンダル、おまけにヒゲまで生やすというだらしない格好で、マッサージを受けに来るだろうか。

うむむと彼女が悩んでいたかどうかはべつにして、マッサージは無事に終了し、わたしは粉みたいになった体でホテルにもどった。
ホテルにもどったら、店のスリッパのままだった。
仕方ないからまた店に引き返してみると、欧米人のカップルが洗面器のお湯に足を突っ込んでいた。
不景気かと思った店でもちゃんと需要はあるようだ。

添付した写真はわたしが行った店とは関係ありません。

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