台風
スラングなのか、ネット上の言いまわしなのかわからないけど、掲示板でよく見かける言葉に、TodayILearn(今日学んだこと)という英単語がある。
わたしのTodayILearnは、迷走している台風10号について。
非常識な進路をとる台風10号が気になって、天気予報をながめたら、これにはライオンロックという名前がついていた。
米国のハリケーンならいざ知らず、わたしの子供のころは台風に名前なんかなかったぞ。
で、気象庁のホームページをさらに調べる。
台風に名前がつくようになったのは、平成12年からだというから比較的最近のことである。
これは発生した台風に、迷惑をこうむりそうな周辺諸国が台風委員会というマンガみたいな名前の組織を作って、正式な取り決めのもとに命名しているのだそうだ。
周辺諸国というのは、カンボジア、中国、北朝鮮、香港、日本、ラオス、マカオ、マレーシア、ミクロネシア、フィリピン、韓国、タイ、米国、ベトナムの14カ国。
不思議なのは、香港マカオがあって台湾がないことと、なんで米国がいるのかってこと。
この取り決めによると、台風の名前は、あらかじめ用意された140個の名前を順ぐりにつけていって、一巡したらまた最初から繰り返すのだそうだ。
ライオンロックは102番目の名前で、香港の発案になるものだから香港にある山の名前らしい。
140個もあるのだから、名前をさっとながめてみると、いろいろ変わった名前もある。
日本はくじら座とかコンパス座、トカゲ座などと、(あまり聞いたことがないけど)おおむね星座の名前で統一しているのに対し、象、アリ、ツバメ、ナマズやタヌキなど、具体的な生きものの名前を提案した国もある。
ほかに目についた名前をピックアップしてみると、嵐の神、雷神、海神といった台風にふさわしい名前から、冷酷な、鋭さ、すばやいといった観念的な言葉、イソギンチャク、タツノオトシゴ、マンゴスチン、バラ、百合、男性の名前、女性の名前、少女の名前、伝説の少女の名前、啓徳(香港の古い空港)、孫悟空、ベトナムの川の名前、有名な遺跡、伝説上の首長名、ヤップ島の石の貨幣というわけで、まったく台風と関係のないわけのわからないものまで。
あの血も涙もない北朝鮮が、桔梗や夕焼け、やまびこ、虹といったロマンチックな名を提案しているのもおもしろい。
それにしてもなんでここに米国が加わっているのか。
なんにでも、いちおう名前を連ねておかないと心配だなんて、まるで横暴なガキ大将みたい。
まさか台風委員会を、TPPみたいなもんとカン違いしてるんじゃあるまいな。
| 固定リンク | 0
コメント