タイ/風邪と下痢
この晩はさっそくホテルのとなりの日本食レストランに行ってみた。
わたしはとろろのかかった山かけソバが好物だから、蕎麦屋ではたいていこれを注文する。
メニューを持ってきた店の女の子に、これは温かいほう(山かけソバ)かい、冷たいほう(とろろソバ)かいと訊いてみたら、めんくらっていたから、この店でも日本語は通じないようだった。
もっとも暑いタイでは山かけソバは最初から論外かも。
食事とあわせてビールを飲み、満足してホテルに帰った。
わたしのトシではじゅうぶんに行動をした日になるので、部屋でころりとベッドに横になって寝てしまった。
夜中になってお腹がごろごろするので目がさめた。
おいおい。
あわててトイレに駆け込み、ウオシュレットの上でひと息ついて、うーんと考える。
原因はいったいなんだろう。
わたしの友人たちなら、どうせなにか変なものを食べたんだろうというだろうけど、ということは寝るまえに食べたとろろソバか。
しかしあのソバは、わたしがこの旅で食べた食事の中でも、もっとも清潔と思える店で調理されたものである。
どうも食あたりが原因ではないような気がする。
いちおう正露丸を2粒ばかり飲んでおいたけど、食あたりなら出るものが出ればすっきりするだろう。
風邪じゃないかと思う。
チェンマイからバンコクへの飛行機が冷房の効き過ぎで寒かった。
くしゃみが何度も出たのに、毛布も借りずに我慢をしてしまった。
あれが祟ったのかもしれない。
トイレから出てベッドに倒れ込むと、頭の中で大きな歯車がずしりずしりとまわっているような気分だ。
やばいな、旅行保険はどこだっけと悲観的な考えになる。
しかし旅行保険の使い方もわからず、この晩はただ寝る、そしてひんぱんにトイレに行くしかなかった。
そんな具合でひと晩中まんじりともせず、朝になってからようやく寝ついた。
目をさましたのは昼ごろで、下痢はやはりおさまる気配がなかったけど、頭はいくらかすっきりした。
このまま部屋にひきこもっていても仕方がないので、病院はともかく、なにか薬を飲んでおこうと街へ出る。
薬屋はすぐに見つかった。
筆談とジェスチャーで風邪であることを伝え、小さな瓶に入った薬を買った。
さくらレジデンスでは朝食がつかないので、帰りにコンビニに寄り、サンドイッチのような無難な食べ物を買う。
部屋にもどって薬をよくながめたら、赤いどろりとした液体で、はたして飲み薬なのか、それともカン違いされてうがい薬でも買わされたのか、よくわからない代物だった。
パッケージの説明書を読んでも、どこにも Drink という文字はなく、英語とタイ語ばかりでさっぱりわからない。
でも幼児の手の届かないところに保存と書いてあるような気がする。
けっきょく瓶のキャップに入れて、ほんの少々を味わってみただけで、コワくて飲めなかった。
こんな調子で、バンコクに着いた翌日は散々な日になってしまった。
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