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2016年8月16日 (火)

タイ/空中回廊

他人の迷惑をかえりみずに長々と文章を綴ってきたけれどと、こういう文章が出てきたら書いている本人もうんざりしてきた証拠で、この紀行記もそろそろ終わると思ってさしつかえない。

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トイレをすませたあと、ラーチャダムリ駅で外に出て、ぶらぶら歩きながらBSTのサヤーム駅まで歩き、そこからホテルに帰ることにした。

ラーチャダムリ駅のホームから見下ろすと、駅のすぐかたわらにグランドになっている広いグリーンゾーンがある。
視線をもうすこし手前に引き寄せると、駅のとなりは浄水場で、プールの中で大きな撹拌機が濁った水をかきまわしていた。
グランドと浄水場に通勤する人はあまりいないらしく、ラッシュ時であるにもかかわらず、ここで下車したのはわたしとほんの少し。

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駅を出て高架の下をぶらぶらと歩く。
グリーンゾーンの反対側に、いくつか高層ビルが並んでいる。
グーグルのストリートビューでこのあたりの景色を紹介するけど、奇妙なかたちの神社仏閣を背景に、南国の木々がやさしく葉をゆらすというタイのイメージじゃない。
どこか香港の街かどを歩いているみたいだけど、わたしの泊まっているホテルの近所とはまたちがった景色だから、タイにはこういうところもあるのかという参考にはなる。

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やがてBTSスクムウェット線の高架の下に出た。
時間はあるし、ここまで来れば王宮やエメラルド寺院も遠くないけど、お腹はまだごろごろだから、おとなしくホテルに帰ることにした。

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最初の予定ではサヤーム駅からBTSに乗るつもりだった。
しかしホテルにもどるつもりなら、サヤーム駅はホテルと反対方向だ。
それよりもチットロムという駅に行くほうが方角的には正しい。
駅から駅まで高架にそって、空中回廊というべき歩行者用通路ができていて、ここなら信号にジャマされないし、車に気を使わずに歩くことができる。
この写真はその空中回廊。

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空中回廊に象徴されるように、このあたりは近代的な都市空間で、日本のちょっと開けた地方都市、たとえばわたしがこの春に行ってきた富山市あたりを歩いているみたい。
女の子でもあればよろこぶかもしれないけど、寺院の見学に来た人、マッサージを受けにきた人、快楽を求めて来た人などにとって、まったくおもしろいところではない。
タイは日本と比べるとまだまだ途上国だと信じる人が、もしもいたとしたら、そういう人の意表をつくようなところだ。

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空中回廊のすぐわきにインターコンチネンタル・ホテルがあった。
回廊からながめただけでも、わたしにはまるで縁のないホテルのようである。
わたしの知り合いに、バンコクでこういうホテルに泊まった人がいるけど、彼女はゴルフをやりに来たそうだから、やはりわたしとは目的がちがう。

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高いところから交差点をながめていると、交差点の停止線より前にならんだバイクタクシーが、信号が青に変わった途端にいっせいに走り出す。
惰性で写真を撮ったけど、べつにおもしろくもなんともない。
だんだんわたしの旅もなげやりになってきた。

このあとはチットロム駅でBSTに乗り、ホテルにもどった。
明日は帰国という日、なんとかお腹の調子をもとにもどそうと、この日は部屋で白湯を飲んだり、パックの果物だけを食べたりと涙ぐましい努力をしていた。

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