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2016年9月16日 (金)

社長の器

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わたしがネットサービスの会社の社長だったとする。
社員のひとりが、世界中の街を全方位写真に撮って、それをネットで公開すれば、これから海外旅行をしようとする人にとって、じっさいに現地を目で見られるわけだから、おおいに役に立ちますと提案したとする。

世界中ってどのくらいだよとわたし。
とにかく世界中のありとあらゆるところですと社員。
そりゃ無理だろ、いくら経費がかかると思ってんだ、現実的じゃないな。
だいいち中国や北朝鮮が、自国の街並みを写真に撮らせるはずがないだろ。
しかも街並みなんてしょっちゅう変わってるんだし、そういう変化にどうやって対処するんだよ。
と、まあ、そんなことをいって反対するんじゃないか。

衛星写真ならまだわかる。
人工衛星は毎日同じところを周回しているから、それで撮った写真なら毎日更新もむずかしいことではない。
しかし世界中の通りや街並みを、わざわざ出かけていって写真に撮るなんて。
わたしの脳みそでは採算を無視した不可能な事業としか思えない。

これをじっさいにやったのがグーグルだ。
前項の記事でストリートビューを駆使したけど、秘密主義を厳守する特定の国をのぞいて、ほんとうに世界中のほとんどの場所をこれでながめることができるのだ。
論より証拠、わたしの家からいちばん近い野川(固有名詞ですよ)の橋の写真をお目にかけよう。
これもストリートビューからの転写だけど、国道1号線や国会のまえみたいに有名なところではなく、車がすれ違えないくらいの、なんてことのない小さな橋だ。
こんなへんてつもない通りまで写真に撮っているのだから、世界中をというのはあながちデタラメではない。
興味のある人は、世界中の任意の街の、任意の通りをストリートビューで検索して、グーグルが網羅している通りがどのくらいあるか調べてみればよい。

これをべつに不思議ともなんとも思わなかった人は、ネット社会に縁のない人か、海外旅行に興味のない人だろう。
旅好きのわたしには、これは奇跡的に便利なものなのだ。
現代はもうわたしの知らない未来に入り込んでいると、つくづく思わざるを得ない。
わたしはグーグルの社長失格だ。

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